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句集を作ろう!コンテスト

句集コンテスト 最優秀賞 発表

リニューアルした「句集を作ろう!コンテスト」の最優秀賞入賞作品が、本日の朝日新聞にて発表!

自作の40句を句集にして応募する40句部門の最優秀賞は、

小学生の部 広島大学附属三原小学校 5年 平木惺菜さんの「風」

中学生の部 松山市立雄新中学校 3年 宇都宮駿介さんの「オリオン」

に決まりました。

 

 

優秀賞や一句賞優秀賞、一句賞などの発表も日を変えて掲載されるようです。

どのような入賞作品が並ぶのか、大変楽しみです。

  • 2019.12.17 Tuesday
  • 21:05

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

ロバート・フルガム『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ 決定版』

私が初めて『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』という書籍の存在を知ったのは、山田詠美さんのエッセイ『再び熱血ポンちゃんが行く!』でした。その後、「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ(幼稚園クレド)」のメインの部分は、単行本の裏表紙でも目にし、印象に残っていました。次男の幼稚園の卒園式で母たちで何か朗読を…という話になった時も、このクレドのメイン部分を選んで皆で朗読した思い出もあります。

ですから、前回の『文學界』特集名「恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ」を見た時、これはこの機会に『決定版」をきちんと読みなさい! との啓示のように感じてしまいました。20年以上たってやっと、気になっていた書籍にちゃんと出会うことができました。

 

 

「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」のならば、では、「幼稚園を出てからは、何も学ばなかったのですか?」と問いたくなるのは当然。この問いに対する「報告書」がこの書籍なのだそうです。筆者は幼稚園以降、「時間と経験だけが教えてくれること」を学び、「時間と経験に理解力を養われて、はじめて出逢える教師がいること」を学んだと言います。

本書の中で、私が個人的に好きだったところをつなげて、勝手にこの一冊を表現すると次のような感じでした。

「人間はやはり、知識を求め、物を考え、疑問を懐いて、はじめて人間である。」だからこそ、「自分は今、何を知っているだろうか?」と問い、「若い心を持ち続け」、必要な「歓び」を見つけて生きていく。「人間は生涯を通じて、必ずそれとは知らずに何かを社会に残し、代わりに何かを取っていく。」「人はみな、どこかで誰かの役に立っている。」「自分で思っている以上に、なくてはならない存在である。」

書籍の最後のエッセイ「反省」に、例の「〈幼稚園のクレド〉」に加える8箇条があげられていました。「何事も、遠くからの方がよく見える。」から始まるこの8箇条が、まさにこの一冊を象徴的に表しているようで、クレドと合わせて読みたい一節だと感じました。

「『彼ら』という存在はない。『われわれ』がいるだけだ。」

  • 2019.12.14 Saturday
  • 19:53

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

山田詠美『ファースト クラッシュ』

高校生の頃から山田詠美さんを愛読しているのですが(直木賞受賞で詠美作品と出逢いました)、11月号の『文學界』の特集が「恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ」だと知って思わず手に取りました。読んでみると、新刊『ファースト クラッシュ』を記念しての特集で、そうなるとやはり読まない訳にはいきません。…というところで、順調に(笑)新刊にたどり着きました。

 

 

『ファースト クラッシュ』は「初恋」のこと。「ファースト ラヴ」のイメージとは違う「相手の内なる何かを叩き壊したいという欲望。まさに、クラッシュな行為」である「初恋」が描かれていきます。

物語は、(五十歳前後になった)高見澤家の三姉妹が、それぞれの思春期を回想する三部構成です。そして、麗子・咲也・薫子の三姉妹の「ファースト クラッシュ」の相手となるのが、高見澤家に引き取られてきた新堂力という母を亡くした身寄りのない魅力的な少年です。この少年は、三姉妹の父の愛人の連れ子で、そこに、夫の愛人の子を引き取る三姉妹の母が、これまた何とも言えない存在感で絡んでいきます。高見澤家の女性4人と、それぞれ全く違う人間関係を結んでいく力。

「憐憫」という感情を真ん中に据え、様々に変化していくいびつな愛情が4者4様に、いや、力を加えて5者5様に表れてきます。また、島崎藤村・中原中也・寺山修司の詩が織り込まれていくなどなど、読みどころはたくさんあるのですが、なんといっても、どんでん返しとも違う驚きと心地よさを感じさせてくれるラストが秀逸です! 全ての登場人物たちの感情が昇華されるような結末に、それまでのストーリー展開からは想像できなかった、まさかの涙がこぼれてきて、自分でも驚きました。山田詠美さんに、読者の心もクラッシュされること間違いなしの作品です。これ以上は語れません…。ぜひ読んでみてください。

  • 2019.12.07 Saturday
  • 20:23

事務局レポート

浜松市立高等学校・句会ライブ

修学旅行で松山を訪れている浜松市立高等学校。「松山はいく吟行体験コース」を選んでくれた皆さんとの句会ライブです。

「松山はいく」のガイドさんに俳句のレクチャーを受けて吟行体験した後の、修学旅行生対象の句会ライブは、松山市立子規記念博物館では視聴覚室で行われることが多いのですが、今回は初めての和室! 約50名がぎゅうぎゅうに詰まったのもあり、より一体感が生まれた句会ライブとなりました。

 

 

皆さん、松山城を散策してきたそうで、松山城観光のパンフレットにいれたいような独創的な句がずらり!

意欲作も見られ、中には堂々と「無常観」を詠んだ句やら、無季自由律の25音の句まで登場しました。

決勝に残った句にも、「伊予弁」を詠み込んだり、修学旅行で学んだ「先人の影」、「石垣の苔の勇ましさ」などなど様々で、楽しませてもらいました。優勝は、「冬の風」が「寂しさ煽る」という句に! 「煽る」という表現に皆の共感が集まっていました。

 

 

また、「松山の龍」を詠んだ句を、「雲の隙間からさしてきた陽の光がまるで天にのぼる龍のようだったのでは!?」という鑑賞が出てきた時には驚きましたが、作者に聞いてみると、まさに鑑賞通りに「隙間からさす陽の光を龍に見立てた」とのこと。和室が賞賛の「お〜!」の声で満たされました。

浜松市立高等学校の皆さんの感性と詩心に驚かされ、また、大いに笑った句会ライブでした。

  • 2019.12.04 Wednesday
  • 18:30

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

朝井リョウ『もういちど生まれる』

朝井リョウさんの『どうしても生きてる』が刊行されると知った時、そのタイトルの感じと、短編集という情報だけで、勝手に『もういちど生まれる』の続編ではないか…と想像していました。読んでみると、全く別物の短編集だったのですが、思い出したのを機に改めて再読してみました。

『もういちど生まれる』は、短編集とは言え5編の登場人物たちが深く何重にも関わっている連作で、作品ごとに登場人物たちの別の側面が浮き彫りになっていく趣向です。むしろ、視点を変えた章からなる長編小説的味わいと言った方がよいかもしれません。主人公たちは、もうすぐ二十歳になる十九歳で、いわゆるモラトリアム期間にある大学生、2浪の予備校生、専門学校生です。

「こんなにも人がいるのに、ほとんどが他人」という不思議な空間である大学をベースに、何らかの形で絡み合っていく登場人物たち。頻繁に登場する「椿」をはじめ、「椿」に恋する大学生らしい大学生である「翔多」の報われない恋など、読みどころはたくさんあるのですが、中でもモラトリアムの期限を迎えようとしている「ハル」の背負った物語に、短編連作長編の集大成的なところを感じました。

 

 

これまで夢を持ち続けるためにあえて見ないようにしてきた「特別ではない自分」という現実を受け入れて、逃げないことを決めたハル。妹ハルに「向き会いたいと思」い「伝わるといいな」と、画家として「彼女の将来」を描こうとした美大生の兄・ナツ。最後にハルがとった行動に対して、「本当は伝わってなかったのかもしれない。なんにも、誰にも。」とのナツのつぶやきだけを取り出すと、一見ナツの思いは伝わらなかったように感じますが、ハルの行動が現実の自分を受け入れて前に進むためであることを思う時、ナツの思いを受け止めた上での、ギリギリまで自分自身を追い詰めて進んでいこうとするハルの強さの行為である気がしてきました。

表題短編で、自殺の撮影シーンが「もういちど生まれたみたいだった」ように、救いのなさそうなハルの選択の中にも、モラトリアムから踏み出し「もういちど生まれ」直そうとする意志を描こうとする、作者の優しい眼差しを感じさせられる作品でした。

余談ですが、単行本と文庫本の装丁を見てみると、本作の中のそれぞれ別の短編からのインスピレーションで作られています。全く印象が違った本のようでありながら、二つの装丁の間にモラトリアム期間の大学生という存在を配置すると、しっくり腑に落ちてくるという面白い表紙の改訂だなと感じました。

  • 2019.12.01 Sunday
  • 23:52