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備忘録〜個人的・書籍の感想〜

三島由紀夫『音楽』

精神分析医・汐見和順の手記という体裁を取る本書。「序」で、この手記が「女性の性の問題に関する、徹底的に無遠慮な」もので、「女性読者に反感を催さしめる」かもしれない、と「読者に注意を喚起」すると共に、文学作品とは違ったアプローチをとりながら、「人間性というものの底知れない広さと深さ」にいたるものであると断っています。初っ端から読者は、小説ではないのか(?)…と煙に巻かれた気分になりながら、いやいやそうは言っても…と、三島作品に期待してしまう、という絶妙な始まりが用意されています。扉には、汐見和順述「音楽 精神分析における女性の冷感症の一症例」とのタイトルが示され、読者を迎え入れます。

 

 

美貌の主人公、弓川麗子。彼女の冷感症という悩みと治療中の様子、汐見に送ってくる(対面した時とは印象を変える)手紙など、読み始めは、谷崎潤一郎の妖婦に似たものを思わせるものでした。そこに、彼女に翻弄される登場人物たちが加わっていき、恋人を愛せない彼女の現実、そして、兄との近親相姦…と、目の離せない展開が続いていきます。真実に行き着いたと思ったらまた別の真実らしきものへと、麗子が冷感症を克服するための真相は常に変化し続けていき、まるでサスペンスのような趣に…。その頃から読者は、谷崎的な妖婦らしさではなく、三島の描こうとしている女性心理の方にすっかりひきつけられてしまいます。

では、「音楽」の象徴するものとは…。なぜ「音楽」なのか…。一番のお楽しみは本編を読んでいただくくとして、精神分析用語をふんだんに取り入れながら、印象的な登場人物たちと、気の抜けないストーリー展開で読ませる作品でした。サスペンス的に読者をひきつけてきた割には、最後の1ページが…という思いも若干残りましたが、それは分析医の手記ですから…という落とし所なのでしょう。扉と結末を手記テイストにして淡々と描いた作品のようなに粧いながら、やはり中身は三島由紀夫作品ならではの、面白さと意外性に満ちていました。まさに、主人公麗子そのもののような小説と言えるのかもしれません。

  • 2018.12.29 Saturday
  • 08:57

夏休み句集を作ろう!コンテスト

第12回夏休み句集を作ろう!コンテスト 一句賞 発表

日本俳句教育研究会が主催に名を連ねます「第12回夏休み句集を作ろう!コンテスト」の一句賞優秀賞、一句賞の発表が、12月20日(木)付の朝日新聞で掲載されました。

 

 

表彰式は来年1月12日(土)、松山市道後公園の松山市立子規記念博物館で開催されます。表彰式の後、副会長夏井いつきの句会ライブも予定されています。

  • 2018.12.23 Sunday
  • 21:25

俳句関連・書籍など 紹介

青木亮人『近代俳句の諸相−正岡子規、高浜虚子、山口誓子など−』

これまでの認識を覆されるような新しさに満ちた評論集。題名通り、近代俳句で外せない俳人たちの俳句や功績が丁寧に論じられていきます。

子規の時代精神を帯びた独断的な俳句観を、小説家や従軍記者などの夢に破れ、挫折と、屈託を味わうことで誕生したと指摘する本書。煩悶に苛まれる故に、俳句に煩悶など盛り込みえず、風景の断片しか詠みえないことに気付いた子規。業病に苛まれる日々に「理」を付けず、想像を絶する痛みや「精神の煩悶」に襲われるあられもない姿を、そのまま活写するのが子規の「写生」であり「美」であると説かれていきます。「写生」が、先入観や空想の陳腐を打破し、実景を掴み出し、身も蓋もない生身の人間の姿をいきいきと記すものならば、子規の「俳句」は文字通り近代的だったのだなと納得させられました。

また、現代の私たちにとっては、正統そのものと思われている虚子選の句が、当時としては類例のない奇妙な句であったという考察もとても新鮮でした。虚子の「写生」を基準にした選が、当時の月並み俳句の陳腐さと一線を画したものであり、虚子選が俳句観そのものをを創造していったということ。さらには、「選と云ふことは一つの創作」という宣言。現代の私たちの俳句観の源流を見た気がしました。

 

 

さらに、「連作」で知られる山口誓子の「写生」が、「写真」ではなく「映画」を念頭においた写生であり、映画のように連作を詠んだという分析にもなるほどと思わされました。その他、尾崎放哉、石田波郷に加え、高野素十の例なども出てきますが、中村草田男の章は必読です。

著者は草田男が好きなのだろう、と感じずにはいられない、熱量が伝わってくる鑑賞の濃厚さで、「万緑」の句をはじめ、数々の句が語られていきます。「互いに齟齬を来しかねない妙な生々しさ」を持つ草田男俳句を、「慈しみに満ちた共感や同情と、ほろ苦いユーモア」とする把握には、新たな草田男の魅力を見た気がしました。

そして、傑作や潮流をなした俳人たちだけに留まらず、わたし達が仰ぐべき俳人のシルエットとして紹介されるのが菖蒲あやです。しがない庶民のつつましい暮らしぶりを詠んだ彼女の俳句の持つ「貧しい自分自身を朗々と詠んだ強さや飄逸さ」。華々しくはなくとも、俳句に作者自身の「履歴書」を見つけられる魅力。俳句との新しい関わり方を提案された気がし、もっと彼女の句を読んでみたくなりました。

  • 2018.12.22 Saturday
  • 10:36

実践報告・お便り

こども俳句 ふらここ句会

nhkk会員の天野姫城さんより、12/15(土)、大阪府貝塚市にある貝塚市民図書館にて、ボランティアで開催された「こども俳句 ふらここ句会」の報告が届きましたのでご紹介いたします。

 

 

対象:同図書館を利用する小学生。7名予定でしたが、当日は5名の参加でした。

レイアウト:視聴覚室にて、長机3台に2-2-1と座ってもらい、各机に1名づつのサポートスタッフを配置、子供たちへのアドバイスをお願いしました。

時間:13時30分〜15時の90分間

 

(画像をクリックすると詳細をご覧頂けます)

 

【目的】

’亢腓紡个垢觚把螻鞠阿魏す
「俳句って難しいんじゃないの?」「俳句って地味でつまんない気がする」を壊す。
   

俳句の楽しさを知ることで「座」の楽しさを知る。
「たった17音しかない俳句なのに、表現できることが多い」
「たった17音しかない俳句だから、想像できることが多い」
「たった17音しかない俳句だからこそ、話し合えることが多い」を実証する。

 

今回は、「尻から俳句」を行いました。
最終的に、各自2句選んでもらい、私の方でどちらか1句を選句。句合わせ(2句、3句→決勝2句)を行い、本日の一番を、皆の多数決で決めました。

 


「ほしまつりキャラメルあじのポプコーン」(原句ママ)
ほしまつりと、キャラメル味で、甘い匂いまで感じられる句でした。
句もステキなのですが、子供たちの鑑賞もステキでした。「ポップコーンの形や、キャラメルの色が、星のように思える」とのこと。キャラメル味のポップコーンでなければ生まれない発想でした。

また、別の句では、作者が思ってもいなかったことを、鑑賞してもらったようで「うれしかった」との感想をもらいました。

 

【感想】

主旨の,任垢、応募の段階から、お母さんが「難しいからやめとき」といった発言があったようなので、募集広告の段階から「楽しい」「簡単」といったアピールする必要があると感じました。次回開催時のチラシは、改良する予定です。

主旨の△亡悗靴討蓮改良の余地がまだまだあるとはいえ、少しでも証明できたと思います。

今回中低学年生だけでしたので、前半の俳句の型に関しての説明は、省くか、もう少し分かりやすくする工夫です。また、対象者の年齢等に応じた対応を臨機応変にできる体制作りが、次回以降の課題です。

今回の子供たちの作品は、図書館等で掲示していただくことになっていますので、次回以降の効果に繋がればとも思います。


天野姫城さま、次回は3月に開催予定とお聞きしています。初回にもかかわらずリアルでユニークな句がそろっていて次回も楽しみです。今後のご報告もお待ちしています。

  • 2018.12.20 Thursday
  • 18:54

募集&ご案内

「はじめての俳句」講座のご案内

nhkk会員の佐東亜阿介さんより、あおもり県民カレッジのボランティア自主講座「はじめての俳句」開講のお知らせが届きましたのでご案内いたします。

 

(画像をクリックすると専用ページにうつります)

 

ご案内は、前回のものとなっておりますが、1月以降も月1回のペースで開講予定で、無料で参加できるそうです。

お問い合わせは、青森県総合社会教育センター あおもり県民カレッジ事務局 電話017-739-0900 までどうぞ。

  • 2018.12.17 Monday
  • 20:27