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w closet×JUGEM

俳句関連・書籍など 紹介

『夏井いつきの 日々是「肯」日』

オールカラーが美しく、俳句とエッセイ、そして写真が絶妙にコラボしていて、俳句になじみのない方にも手に取りやすい副会長の新刊のご紹介です! 

 

 

「俳句」のある生活が、「好日」を超えた「肯日」をもたらしてくれることをつづったエッセイ。そこに寄り添うように添えられる写真と俳句。いやむしろ、俳句に添えられたエッセイではあるのですが、それぞれの距離感がなんとも味わい深く、初心者の方などは、俳句に対するイメージが少し変わってくるかもしれません。季語を味わうための解説もついています。

Stay Homeの日々を、自分らしい「肯」日に変えていきたくなるような一冊はいかがでしょうか。

 

この本は、俳句と共に生きる私の「喜びの遊び」を綴ったものです。人生に起こる出来事を、是は是とし、非は非として受け入れる。全ては俳句のタネだと腹を括る。そこから新しいものの見方が生まれてくるのだと、身をもって信じております。(「はじめに」より)

  • 2020.05.13 Wednesday
  • 11:44

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

BSジャパン/若林正恭編『文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?』

外出自粛が続く今年のGW。普段あまり本とご縁のない人でも気軽に読めて、一冊でいろいろ出会えちゃった感をもらえる一冊などいかがでしょう。

芸人・若林正恭さんが司会進行を務め、毎回2名の作家がゲストとして登場し、日常生活や仕事のスタイルを語るテレビ番組『ご本、出しときますね?』の書籍版です。

番組HPの概要には、

「無類の本好き芸人、オードリー若林正恭と、第一線で活躍している人気小説家、エッセイスト、漫画などの「作家」達が、自分の人生の中で決めている“自分のルール”などをテーマに爆笑トーク! 番組の最後には“そういう時はこれを読め!”という、イチ押しの「本」を紹介してもらう、文筆系トークバラエティです。」

とあります。

 

 

大変ユニークな小説家たちが登場。西加奈子, 朝井リョウ, 長嶋有, 加藤千恵, 村田沙耶香, 平野啓一郎, 山崎ナオコーラ, 佐藤友哉, 島本理生, 藤沢周, 羽田圭介, 海猫沢めろん, 白岩玄, 中村航, 中村文則, 窪美澄, 柴崎友香, 角田光代, の錚々たるメンバーに加え、書籍特別企画として、尾崎世界観, 光浦靖子との鼎談も収録されています。

若林さんと作家たちが繰り広げるトークなので、普段あまり本を読まない読者でも気軽に手に取れ、小説家たちの素顔をのぞくことができます。ライバル作家への嫉妬や独特のコダワリなど、小説家たちのナマの人間の部分に楽しく出会わせてくれる一冊となっています。また、トークの内容に合わせて、同じような悩みをもつ読者へのオススメの一冊も毎回処方されます。

社会に出て行くのが不安な人、肩の力を抜きたい人、ズルしたくない人、悩める二十代などなど、読んでみたくなる本がズラリ。気軽に楽しめる、作家&読書のススメです!

  • 2020.05.01 Friday
  • 17:23

募集&ご案内

「夏井いつき俳句チャンネル」のご案内

副会長の夏井いつきが、YouTubeで「夏井いつき俳句チャンネル」を開設しましたので、ご案内いたします。

俳人の家藤正人さんとの楽しい掛け合いで、俳句をはじめたばかりの人たちの質問に答えていくチャンネルだそうです。

 

(画像はYouTube登録チャンネル画面より)

 

質問はコメント欄で受け付けているようです!

どこに聞いたらよいのだろう…というようなちょっとした質問も、書き込んでおけば今後の動画で答えてもらえるかもしれません。

現在すでに公開されているのは

夏井いつき、俳句YouTubeはじめます!

五・七・五の正しい数え方

です。

Stay Homeの日々の中、YouTubeから俳句をはじめてみませんか!?

  • 2020.04.29 Wednesday
  • 13:16

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

又吉直樹『劇場』

本来ならば、昨日4月17日が公開予定だった、山賢人×松岡茉優×行定勲監督「劇場」の原作本ですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、映画も延期されたようです。まさに非常事態…で、一日も早い収束を(当初は安易に使っていた終息の文字が、使えない状態になってきました)願う日々です。まずは、私自身もStay Homeから…。日本中が心を一つに、なんとか乗り切っていきたいです。

さて、又吉直樹さんと言えば、芥川賞を受賞した『火花』が、とにかく人間が好きな方なんだろうなぁ〜との印象で、また、泥臭さも感じさせる真面目ぶりの中で、ホロリとさせたりもして、一気に読まされました。彼の恋愛小説ということで、どんな作品なんだろうと興味津々で手に取りました。

スミマセン、以下ネタバレありです。(もしかすると映画と原作では、二人の出会いが少し違っているかもしれませんが…)

 

 

「好きな仕事で生活がしたいなら、善人と思われようなんてことを望んではいけないのだ。恥を撒き散らして生きているのだから、みじめでいいのだ」という主人公永田は、前衛的な劇団「おろか」の脚本家であり演出家です。そんな彼が、沙希との出会いによって、恐怖の対象であった人間を尊いと思えるようになっていきます。排除するのではなく、取り込んで、受容することを知り、また、この瞬間に立ち会うために生まれてきたのかもしれないと思えるような瞬間を体験できるようになっていくのですが、その変化を沙希本人には見せられないのがもどかしくもあります。そして、そんな永田にとって「一番安全な場所」が、二人の恋愛の劇場である沙希の部屋です。

この「安全な場所」が最も「劇場」と化すのが、二人が呼吸していた部屋が死んでいく箱となっていくクライマックスです。部屋を照らす月と、猿の面をつけた永田は、二人の出会いとなった画廊に飾られていた、月の下歯を剥き出しにいて睨みつける猿の絵画そのものです。出会いの場面では、ガラス窓越しにその絵画を眺める側であった二人が、今は劇場の中で、演じる側としてそこにいるという現実も象徴的でした。

「演劇でできたことは現実でも再現できる可能性がある」という永田。これから、心動かされる瞬間を作り出す演劇を目指していくだろう永田流に解釈するならば、演劇を経由することができた二人の現実は、「現実に対抗し得る」演劇の力によって、二人それぞれにとって意味あるものになったのかもしれません。たとえそれがどのような結末であったとしても…。

 

又吉さん的なイメージの永田を、映画で山賢人さんがどう演じるのか…。映画の見どころの一つとなりそうです。世の中の平穏がもどってきたら…、とそれも楽しみに…。

  • 2020.04.18 Saturday
  • 18:36

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

岸見 一郎、古賀 史健『幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII 』

昨日に引き続きアドラーです。

『幸せになる勇気』は、『嫌われる勇気』の問答でアドラーの思想に感化された青年が、3年後にもう一度哲人を尋ねるところから始まる続編です。青年は、「価値観を揺さぶられ、曇っていた空が開け、人生が変わったような気にさせられる。非の打ち所がない、世界の真理さえ思え」たアドラーの思想が、「現実世界では、空虚な理想論」で、「害悪をもたらす危険思想」だったと息巻いて登場し、また二人の問答が始まります。続編では、「具体的にどのように歩んでいけばいいのか」、「抽象ではなく、具体の話を。理論ではなく、実践の話を。理想ではなく、現実の話」が語られていくことになります。

 

 

具体的に展開されていくのは、アドラーの教えに感動して、教育者として子どもたちに教えを届けようと図書館司書を辞めて中学校の教員になった青年の直面している問題です。「ほめてはいけない、叱ってもいけない」というアドラーの教育方針で張り切っていたものの、その方針では教室の統制をとることができなくなってしまったという青年。実際に彼は教室でどうずればよかったのか…。アドラーの理論はもちろん変わらないのですが、哲人との問答を通して、青年がアドラーを理解しきれていなかった部分と、教えを実践することの難しさが浮かび上がってきます。

教育現場の問題ということもあり、問題行動を起こすときの5段階の心理状態なども詳しく語られ、興味深く読みました。最終的に、青年の反論に答えていく二人の問答は、「尊敬」「愛」「自立」といった議論に到達していきます。しかも、この「愛」や「自立」、さらには「幸せ」といったものが、アドラー流の解釈を与えられていき、自分(わたし)ではなく「わたしたち」を主語に生きるというところまでつながっていきます。

詳細は読んでいただくしかありませんが、「いま」を誠実に生きていきながら、ありのままの私として「シンプル」にあり続けるしかない、と感じました。最後に、私が個人的に印象に残った文章を…。

 

「知」とは、学問だけでなく、人間が人間として幸福に生きるための「知」も含みます。すなわち、共同体のなかでどのように生きるべきなのか。他者とどのように関わればいいのか。どうすればその共同体に自分の居場所を見出すことができるのか。「わたし」を知り、「あなた」を知ること。人間の本性を知り、人間としての在り方を理解すること。アドラーはこうした知のことを「人間知」と呼びました。

  • 2020.04.05 Sunday
  • 15:25