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備忘録〜個人的・書籍の感想〜

山田詠美『珠玉の短編』『4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール』

私は通常、胸やけするほどのコッテリとした性愛を描く作家、もしくは、思春期の少年少女の発情の有様に美辞麗句を並べてハッタリかます作家、さらには、手のかかる子供らに無垢という罪状をでっち上げる作家として知られていますが、実は言葉用の重箱の隅をつつく病の重症者なのです。

「言葉用重箱の隅つつき病−あとがきにかえて」より

 

 

『珠玉の短編』は、第42回川端康成文学賞受賞作「生鮮てるてる坊主」を含む11編の短編集。「珠玉」という題名とは真逆の印象を与える作品のオンパレードで、残酷さが山田詠美的毒として注入された、これでもか、これでもか、の11編。テーマもそれぞれ、心に潜む闇をつくような人間の怖さなど、かなり振り切った衝撃的な詠美ワールドですが、そこに「珠玉」をはじめとした、「箱入り娘」「骨まで愛して」「命の洗濯」「蛍雪時代」という死語的(!?)題名を配していくところにも彼女のアイロニーを感じます。彼女の作品群で言うならば、野間文芸賞受賞作『ジェントルマン』的系譜の短編が並んだと言えば分かりやすいかもしれません。もちろん、短編でなくじっくりと読みたくなり、『ジェントルマン』に加え、『学問』まで持ち出してきてしまったのは言うまでもありません。

 

 

『4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール』は女性誌『GINGER』の巻頭エッセイをまとめた一冊。(現在も連載は続いているらしいですが、)初っ端から、女性誌のテーマとなりそうな「自分磨き」や「ポジティブシンキング」にもの申すところから始まり、エイミー節が満載で、ファンはたまらずにやりとしてしまいます。彼女の目指す「腹に一物」持ちながら自分が主人公となって生きる「ユニーク」な女性像には納得で、いわゆるステレオタイプの調和を目指す啓発本よりは、よっぽど血にも肉にもなることうけあいです。

  • 2018.06.30 Saturday
  • 20:59

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