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備忘録〜個人的・書籍の感想〜

宮下奈都『羊と鋼の森』

2016年度本屋大賞受賞作。調律師の青年、外村の物語。情熱を秘めた静かさの中に、前を向いて生きる人(々)の清々しさを感じられる書でした。

人は、人生のどこかで自分の価値観を変えるような何かに出会う体験をするのでしょうが、主人公にとっては、高校生の時の調律師板鳥と、板鳥の創る音、そしてピアノとの出会いがそれでした。そこから、外村の見えるものが、人生が、色づきはじめます。

調律師への道をこつこつと進んでいく外村は、彼を取り囲む魅力的な登場人物たち(この人物達が一番の読みどころです)との交流の中で調律師として、人間として成長していくのですが、それが甘ったるい成長譚のようになっていないのは、彼が天才的な能力を持つ人ではなく、才能などとは違うところで、自分の手で確かなものを探り当てようとしているからなのでしょう。

とは言いながら、初めての音と出会いで「森の匂い」を感じることの出来る外村は、読者にとって、彼自身でしかない何かを持っている存在としてあり続けてくれます。外村に期待しながら読み進めていく読者は、知らぬ間に(平凡である自分自身を投影し)迷い込んだ森から出る道をさがす外山自身になってしまうのかもしれません。

 

 

どうやら、『羊と鋼の森』は映画化され、6月8日公開のようです。映画では、本のどこに焦点があてられ、魅力的な登場人物達がどこまで描かれているのか…。本では読者が自分の思いのままの音を鳴らすことができる訳ですがさて音楽は…。映画のエンディング・テーマ紹介に辻井伸行さんの名前があったので、外村のミューズともなる人物の演奏を辻井さんがするのでは!と勝手に期待してしまっています

  • 2018.04.21 Saturday
  • 12:22

Comment
スージーさま
既に読まれていたのですね!
個人的には、映画→本はどちらも楽しめて、本→映画は自分の思い入れ強くなりすぎて、残念な結果になるイメージがあるのですが、今回はオビの写真に影響され、かなり山賢人イメージ入ったので大丈夫かもしれません(笑)読んでて違和感なかったので、期待してみようかなと!
  • 事務局 八塚
  • 2018/04/27 8:26 PM
映画化されるのですか!
「森」の語に憧れて読んだことを思い出しました。
見に行きます、きっと。
  • スージー
  • 2018/04/27 4:23 AM
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