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質問への回答

季語・類想類句について(質問への回答)

 nhkkへお寄せいただきました質問と回答をご紹介します。
 前回の「俳句の取り組み方・「取り合わせ」について(質問への回答)」に引き続いてのご質問です。


Q たくさんのアイデアをありがとうございました。さらにご質問いたします。
 まず、季語は本にのっているものしかダメなのでしょうか?水たまりや長靴、プリンなどの冷やして食べるおやつは本に載っていませんでした。ということは、使えない、季語でない言葉という解釈になるのでしょうか?
 次に、一物仕立についてですが、本学級では季語は決めていません。例えば、
    かき氷 練乳かけて甘すぎる
という句があります。その通りで、私としては写実的! とほめたいのです。が、散文的すぎるのが気になります。では、どうするか、といったところです。

 また、以下のような俳句はルール違反でしょうか?比喩を大事にしていたら、季節感がぐじゃぐじゃになってしまったようです。
    雪積もりみどりのなだれかき氷
 子供の俳句に、「○○だよ」や「○○ね」が多用されているのも気になります。
 12音の方にこだわってみようということは、再度伝えます。が、その子どものイメージの中にある1番にものが季語でなかった時は、どうしたらよいのかが、やはり理解できておりません。
 私の理解力と説明のしかたが悪く申し訳ないのですが…

 

 

A 季語は本にのっているものしかダメなのでしょうか?水たまりや長靴、プリンなどの冷やして食べるおやつは本に載っていませんでした。ということは、使えない、季語でない言葉という解釈になるのでしょうか?
 
・「季語」はやはり季節のものですので、季節感がないものは季語ではないと把握して頂いた方が良いかもしれません。もちろん、それは歳時記で確認できるのですが、歳時記の種類によっても収録されている季語の数は違ってきますので、ちょっとした季寄せには載っていなくても、大きな歳時記には載っている場合もあります。また傍題も季語と同じ扱いになりますので、量は膨大なものとなります。
 ちなみに「氷菓」は季語で、傍題は「氷菓子、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット、小倉アイス、小豆アイス、アイス最中、アイスキャンデー」で、全て季語として使用できます。
 しかし、プリンはないですね。一年中あるお菓子類のくくりではないでしょうか。もちろん、桜餅とかわらび餅とかは、季語になります。今はいろんなものが一年中食べられるので、混乱しがちになりますが、やはり、もともとはその時期にしか食べられなかったものというところで判断していくのか良いかと思います。ケーキもクリスマスケーキなら季語として使えます。
 
・そのように考えて頂くと、水たまりや長靴も、季節感を伴うものではありません。季語的な使い方をするのであれば、「梅雨の長靴」や「台風後の水たまり」などを詠むことになっていくかと思います。
では、季語が少ないのかと言いますと、俳句に親しんでいる側から考えると、あまりにも世の中は季語に満ちあふれているなと言うのが実感です。むしろ、なぜこれが季語で、あれは季語でないのか…そういった季語を発見していく面白さも子供たちと楽しんでもらえればと思います。シャボン玉・風船・ブランコなどが春の季語であると知ると、驚く子供たちも多いようです。
 
 一物仕立についてですが、本学級では季語は決めていません。

 

・できればぜひ先生から季語を決めて頂いて、「取り合わせ」での作句をオススメします。(前回の「俳句の取り組み方・「取り合わせ」について(質問への回答)」をご参照ください)
 

 その子どものイメージの中にある1番のものが季語でなかった時は、どうしたらよいのかが、やはり理解できておりません。

 

・子どもたちのイメージにある一番のもので、ぜひ12音の俳句の種を作らせてあげてください。
 季語はあとで取り合わせていくものですから、むしろ12音に季語が入っていないのがベストです。子どものイメージ通りを俳句の種にしていって下さい。季語に引っ張られると結局一物仕立ての俳句しかできず、一物仕立てで類想類句でない佳句を詠むのはかなり高度なワザです。ぜひとも一物ではなく取り合わせから俳句に入られることをオススメします。

 


 かき氷 練乳かけて甘すぎる

 

・もし、俳句を作ることだけに目的をおくのならば、このままで実感はありますのでOKです。しかし、作品のレベルをあげていくというスタンスでこの句の問題点を挙げるとするならば(もしプレバトで夏井が指摘するならば)、この句が類想・類句のど真ん中にあるということです。
 「かき氷」というと、「頭が痛い・キーンとなる」「練乳をかける・美味しい・甘い」「ベロが○色になる」「色がカラフル」というのは、全て類想になります。「一物仕立て」が難しいというのは、こういう類想を抜け出さなければならないからです。
 むしろ、誰もが詠みそうなことは詠まない、ということを児童さんに分かってもらうと良いように思います。『俳句の授業ができる本』でオススメしている「句会ライブ」では、決勝に残った10句について皆で議論していきますので、はじめに「誰もが書いていることを書いてしまうと決勝に残れないよ」と言って、なるべく類想をさけるようにうながすことをすすめています。
 ちなみに、具体的に食べている様子とか、かき氷がどのようにとけていくのか、とか、削られた氷を何かに見立てるか、などを詠むと一物でも佳句となる可能性がありますが、一物が高度になっていくのがおわかりいただけると思います。
 たとえば「かき氷」の「取り合わせ」ならば、『俳句の授業ができる本』p74では「秘密が一つできました」に「かき氷」を取り合わせています。かき氷と取り合わせることによって「秘密」がどんな秘密だと考えられるか味わってもらえると良いと思います。美味しさから広げていく子どももあると思いますし、かき氷の冷たさから、また、とけていくところから秘密の内容を想像していく子どももいることと思います。

 
・また「甘すぎる」という感情語もあまり俳句には好まれません。これの回避については、6月7日のブログの記事にてお答えしておりますのでご参考にされて下さい。

 

 以下のような俳句はルール違反でしょうか?比喩を大事にしていたら、季節感がぐじゃぐじゃになってしまったようです。
    雪積もりみどりのなだれかき氷

 

・ 「雪」「なだれ」「かき氷」の三つの季語が入っている句ですね。
 この俳句をどのレベルで評価するか…ということになっていくと思います。かき氷を比喩を使って表現しようとしていることは間違いないのですから、そこを評価するならば、それでありだと思います。

 ちなみに、一般には季語が複数入る俳句もあるのですが、複数の季語でOKなのは、明らかにある季語がその句の主役としてたっている場合ということになります。
 この場合は、「かき氷」というのが主になり、「雪」「なだれ」が比喩として働いていることになりますが、いかんせん、季語の中でも特に大きな季語「雪」(雪月花の一つ)から始まり、また、それが「なだれ」となり…のあとに、やっと主役の「かき氷」(夏)というのでは、読者にとっても少ししんどいように思います。
 また、かき氷を雪の山みたい、というも類想類句の範囲ということもできます。
 できれば、比喩を使うときには「なるべく季語でないものでたとえてみよう」というのを大前提にしてもらった方が、子どもたちは混乱しないかもしれません。
 今回の場合も、句の質を上げていこうとされるならば、ひとまず、かき氷を何かにたとえようとしたことは褒めてあげて、17音しかない俳句の中で季語を二つも使うのはもったいないから、季語でないものでたとえられるともっと良くなるよ、とアドバイスいただいたらと思います。


 子供の俳句に、「○○だよ」や「○○ね」が多用されているのも気になります。

 

・低学年の俳句の場合などに、この表現がぴたっとはまってよい口語俳句になったりもするので、絶対ダメだとはいいきれないのですが、これも、俳句は17音しかないので、そのうちの1音や2音を使ってしまうのはもったいないという意識ができていくと減っていくと思われます。

  • 2017.06.27 Tuesday
  • 10:00

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