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質問への回答

俳句の取り組み方・「取り合わせ」について(質問への回答)

 nhkkへお寄せいただきました質問と回答をご紹介します

 

Q 俳句の前段階として、くらし俳句と題し、日常のもろもろを17音で表すという活動をおこなっています。これをレベルアップさせ、夏の俳句にしたいところなのですが…
 1番につまずくのが、どの季語を使うかです。本にのっているものを調べていると、季語って限られてきてしまうのではと感じてしまいます。
 たとえば、梅雨にちなんで広げると、水たまりや長靴何かも出てきます。でも、それは季語じゃない。なら、別の言葉に?となるけれど、そうすると、浮かぶ情景まで変わってきてしまう。そうした部分をどうすればいいのか、適切にアドバイスしてあげられないのです。

 また、指導していて悩むのは、添削です。どうアドバイスしてあげれば、よいか、本当に悩みます。夏井先生のちょっとのアドバイスで作品が変化するあの感じを、どうすれば児童に伝えられるのか日々悩み中です。
 わたしの力量不足なのですが、確実に子どもたちの俳句への親しみや楽しさは増しているので、何とか壁を乗り越えたいと思っています。
 授業では、伝え合いが主題です。自分の俳句に対する思いを語り、聞き、感じたことを伝え、双方向にその活動を行うことで、伝え合いや表現の面白さ、よさに気付かせたいと考えています。

 

 

A 授業目的の「伝え合いが主題で、自分の俳句に対する思いを語り、聞き、感じたことを伝え、双方向にその活動を行うことで、伝え合いや表現の面白さ、よさに気付かせたい」を念頭においてお答えさせていただきます。
 「俳句の前段階として、くらし俳句と題し、日常のもろもろを17音で表すという活動をおこなっています。」とのこと。大変素晴らしいご活動で、「実に子どもたちの俳句への親しみや楽しさは増している」様子が目にうかびました。
 「これをレベルアップさせ、夏の俳句にしたいところなのですが…1番につまずくのが、どの季語を使うかです。本にのっているものを調べていると、季語って限られてきてしまうのではと感じてしまう。たとえば、梅雨にちなんで広げると、水たまりや長靴何かも出てきます。でも、それは季語じゃない。なら、別の言葉に?となるけれど、そうすると、浮かぶ情景まで変わってきてしまう。そうした部分をどうすればいいのか、適切にアドバイスしてあげられないのです。」とのこと。

 

 まず、ご質問を拝見して感じましたのが、日常のもろもろを17音に→季語を入れた俳句にという流れの中、おそらく児童さんたちは季語を見つけて(決めて)から残りのフレーズを考える「一物仕立て」の型で俳句を作られているのではないかと拝察しました。実は、「一物仕立て」という俳句の作り方は、季語を観察して作っていく俳句ですから、ほとんどの人が似たり寄ったりの俳句になってしまうので、初心者には難しい型なのです。季語を見つけるのに大変なのに、せっかく見つけても、皆同じような俳句になってしまう…というのが、この型でよく起こってくる現象です。もちろん、そういった類想類句にある俳句を一つ一つ添削していくことはかなり困難なことです。

 

 そこで、nhkkが(夏井の句会ライブでもそうですが)おすすめしていますのは、『俳句の授業ができる本』にも「簡単俳句作りのコツ」と紹介しています「取り合わせ」という型で俳句を作ることです。実は、この「取り合わせ」という型の一番簡単なものは、「季語と関係ない12音のフレーズ(俳句の種)」に「5音の季語」を「取り合わせ」るというものです。俳句の種になんとなく似合ってさえいれば、どんな季語を取り合わせてもかまいません。(実際、この「取り合わせ」の型は、少なく見積もっても俳句の80%をしめるたいへんよく詠まれている型です)
 そして、nhkkが特に初心者の俳句作りの時にこの型をおすすめするのは、つぶやいた「12音のフレーズ(俳句の種)」が「(5音の)季語」の力を借りて即座にオリジナルな作品として機能していくからです。そして、この型は、「季語が俳句の気分を語る」ことを実感してもらえる型ですので、一つ一つの季語が持っている豊かさを感じることのできる型ということができます。作句の順番は、先に俳句の種を作って、後で季語と取り合わせていきます。

 


 『俳句の授業ができる本』P14からの例ですが、たとえば

「ランドセル今日も重たい」

という俳句の種に対して、以下の3つの季語をつけると、取り合わせる季語によって、俳句の内容が変わってきます。
「秋うらら」(秋晴れのような心の明るさ)―重くっても今日も楽しい学校だ!○○の時間が楽しみだなあ! 
「そぞろ寒」(心寒さや不安な気持ち)―今日の○○の時間は嫌だなあ。とか、先生に怒られないといいけど…。などランドセルを重く感じる不安げな思い。
「いわし雲」(秋のうろこ雲のような波立つ心)―高学年になって、学校だけでなく、自分自身についても悩み始めている思い。

 大切なのはいかに12音の俳句の種で自分らしいものを(または共感できるような実感にみちたもの)をつぶやけるか、というところになります。あとは、季語が勝手に俳句に感情を添えてくれます。

 

 先生のクラスでは、すでに日常を17音で表現することに楽しまれているようですので、季語が入った17音を見つけるという高度なワザだけでなく、オリジナルな12音のつぶやきをどんどん拾っていって、それらの俳句の種にし、それになんとなく似合う季語を取り合わせていくと、思った以上にバラエティに富んだ作品群ができあがってくると思います。
ですので、先生が今日の季語はこれ!というように、先にイメージの違ういくつかの5音の季語を提示しておいて、子供たちのつくった俳句の種に似合うと思う季語を取り合わせて、ぜひ、楽しんでもらえたらと思います。たとえば、夏のこの時期ですと、プラスの気分の種は「風薫る」に、マイナスの気分の種は「梅雨曇」に取り合わせるとピッタリあったりします。そのほか、雲の峰(夏の雲)、熱帯夜、南風、ひまわりや、かき氷、などなど、別の5音の季語で取り合わせてみると、句の気分が変わっていくのを楽しむこともできます。
 子供たちは、クラスメイトのオリジナルなつぶやきに、感心したり、共感したり、反発したり、…と様々な伝えあいをしてくれることと思いますし、友達がなぜその「季語」を選んだかで、その俳句の心理や季語の意味や深さにも近づこうとしてくれるはずです。

 

 まず添削を…というよりは、生徒たちのつぶやきの妙や季語を味わいながらの交流を楽しめる授業になれば…と感じながらご質問を拝見いたしました。ぜひ「取り合わせ」で生徒たちの生のつぶやきを皆さんで楽しんでもらえればと思います。きっと大人では思いつかないような楽しい俳句の種がたくさんでてくるのではないかと思います。イキイキとした実感のある句がたくさん生まれてくることを祈っています。
 もちろん、俳句の種のちょっとした助詞とか言い回しなどを変えたり、語順を変えるだけでも、佳い句になったりしていきます。もしかすると伝えあいの中で子供たちからでてくるかもしれませんし、そうでない場合は、先生の方から提案されても良いように思います。

 

  • 2017.06.26 Monday
  • 10:00

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