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w closet×JUGEM

俳句関連・書籍など 紹介

副会長新刊『夏井いつきのおウチde俳句』

季語の現場に立つために外に出かけなくても、おウチでも俳句は作れる!

事情を抱え、外へ出られない方々が自由に俳句がつくれるようにとの思いを込めてつくられた一冊です。

 


出てくる例句は、公式ブログ「夏井いつきの100年俳句日記」で募集した一般の方々からの投句作品です。驚き&納得の秀句から思いもよらないユニークな句まで沢山登場! 「いのうえさきこ」さんのイラストも可愛らしく楽しくクスリと笑え、秀句にさらなる味わいを加えてくれます。

「リビング」「台所」「寝室」「玄関」「風呂」「トイレ」のそれぞれの場所で使う五感+第六感をあげながら、具体的に句作をしていくための穴埋め式の書き込みドリルも収録。初心者の方でも、一つ一つ穴埋めしていくことでたちまち一句ができあがります。もちろん、俳句のタネを探すコツ「発想のポイント」も満載です。
第1回「おウチde俳句」大賞の募集も始まっているようです。付属ハガキ、公式Webサイト、官製ハガキでの応募が可能で、2019年2月28日まで!

  • 2018.11.10 Saturday
  • 13:26

俳句関連・書籍など 紹介

岡田一実『記憶における沼とその他の在処』

ふじみんこと岡田一実さんの第3句集。『記憶沼』という通称で呼ばれています。

 

 

「な、なんだ、これは!」

読み始めて数ページで、一句一句の濃密さに射貫かれてしまいました。十七音ごとに立ち止まらずにはいられない、もったいなくて簡単には進めない、そんな句が並びます。

,泙砂充群擦了蹐縫疋リとする→△修海砲△辰慎┯譴縫魯辰箸気擦蕕譴→0豢腓了蹐筏┯譴僚伝慇にまたドキリとする

変幻自在なふじみんの俳句はこんな風に染み入ってきます。

 

 

「真正面から」

蟻の上をのぼりて蟻や百合の中

阿波踊この世の空気天へ押す

椿落つ傷みつつ且つ喰はれつつ

 

「裏切りも」

秋晴や毒ゆたかなる処方箋

その中に倒木を組む泉かな

瓜の馬反故紙に美しき誤字のあり

 

「届く五感」

喉に沿ひ食道に沿ひ水澄めり

口中のちりめんじやこに目が沢山

体内を菅は隈なし百千鳥

 

「飄々と」

喪の人も僧も西瓜の種を吐く

端居して首の高さの揃ひけり

文様のあやしき亀を賀状に描く

 

「まっすぐ」

細胞に核の意識や黴の花

みづうみの芯の動かぬ良夜かな

龍天に昇るに顎の一途かな

 

「無常…」

宗教に西瓜に汁の赤さかな

死者いつも確かに死者で柿に色

常闇を巨きな鳥の渡りけり

 

空洞の世界を藤のはびこるよ

白藤や此の世を続く水の音

 

この世もあの世も私も、実は一体で「空洞の世界」があるだけではないか。では、その私とは…。もしかすると、私とは「記憶」そのものなのではないか。そんなふうに感じさせられる句集です。

では、「記憶における沼」とは…。何かが堆積し、また何かが育ちゆくような沼。もしかすると私たちは、時にはそんな沼に停滞しながら、また時には「その他の在処」を確かめながら、自分なりの記憶の形でここにあるということなのかもしれません。

裸木になりつつある木その他の木

「裸木」に目をやることがあれば、「その他の木」を真正面から詠むこともあるように。

手のひらにちょうどいい、少し小さめの句集であるのも、人の内にある「記憶」のサイズのようです。美しい装丁そのままに、あり続ける「水の音」のように、ふじみんの俳句とは、そんな記憶という彼女自身なのでしょう。

 

(句集『記憶における沼とその他の在処』出版記念パーティーにて)

  • 2018.10.13 Saturday
  • 10:13

俳句関連・書籍など 紹介

『夏井いつきの「月」の歳時記』

一つの季語に特化して徹底解剖する歳時記の第四弾!秋は「月」です!!

 

 

今回の新しいコーナーは、「沢山ある月の季語を、分かりやすく分類して、しかも目に見える形で解説したい」との副会長の思いから生まれた「月齢と月の季語のカレンダー」などの季語の解説です。
担当者に任命され、まずは「月」について知るところから始めた私ですが、季語が生まれた背景にある「陰暦」を知れば知るほど、日本人の生活の中にあった「月」というものを知ることになりました。そこから生まれたのが「陰暦の秘密」ページで、陰暦と現在私たちが使っている新暦とのズレの謎とともに解説しています。
月の姿を見れば、今日が何日であるかを知ることができた「陰暦」の生活!なかなかに魅力的で、きっと毎夜「月」を追いたくなることと思います。今回の私自身の一番の収穫は、月をみて「何日の月だ」と分かるようになったことかもしれません(笑)

 


もちろん、読者から投句された俳句が、超有名人俳人の俳句の横に並べられる目玉コーナーも、カラーページでどんと80句掲載されています!このシリーズで、ビジュアルデビューという言葉ができたとか…できないとか…(笑)俳句と写真との出会いにも驚きのある美しいページです。
そして、ローゼン千津さん担当の人気コーナー・サイエンスインタビューは、国立天文台の片山真人先生。月の俳句を例にあげながら、科学的にあり得るのか、あり得ないのか…というとてもユニークな切り口のインタビューです!私たちが抱く月に対する素朴な疑問も同時に解決されていきます。
2018年の「中秋の名月」は9月24日(月・祝)とのこと!名月の下「月」の歳時記を繙くというのも一興かもしれません。

  • 2018.09.15 Saturday
  • 10:27

俳句関連・書籍など 紹介

岸本尚毅 夏井いつき『「型」で学ぶはじめての俳句ドリル』

俳句甲子園の審査員でもおなじみの岸本尚毅先生と、われらが副会長夏井いつきの問答で構成された、スラスラ読める俳句入門書です! 全てが二人の掛け合いで進んで行きますから、二人の会話の中に居合わせた気分で、難しく考える間もなく俳句が学んでいけるという、これまでにないスタイルの一冊となっています。対談というのはとにかく読みやすい!

本書の目玉は、副会長が「キシモト博士」と呼ぶ岸本先生(ご自身では「俳句オタク」とおっしゃっています)の膨大な俳句の知識から生まれた初心者(チーム裾野)のための「穴埋め式岸本ドリル」! 明快解説付きの10のレッスンと30のドリルで、俳句の「型」から題詠の発想法までが身についていきます!

 

 

岸本ドリルの一番の特徴は、答え合わせをしていくのではない点!あなたなら、どんな穴埋めをして行きますか? という問われ方ですので、例句に留まらない自分自身の発想方の訓練をしていくことができます。解答例もユニークですが、なにより、二人の問答の中で発想がポンポン飛んでいきますから、解答例以上の着地点にいくことも多々…(笑)虚子選の例句が、思わぬ現代的な句に様変わりしていって驚かされます。

ドリル以外にも、二人の俳句始めから、上達する秘訣まで読み応えたっぷり! これから始めたい方も、ステップアップしていきたい方も、ぜひ、岸本ドリルにチャレンジしてみませんか!!

  • 2018.09.08 Saturday
  • 09:48

俳句関連・書籍など 紹介

まいにち作ろう! 夏井いつきのいちばんやさしい俳句日めくり

俳句作りの一歩を踏み出したい人、そして、ためらっている人にピッタリな「日めくり」のご紹介です。

俳句がやってみたくて、俳句の入門書も読んでみたのだけど…。日常に俳句の材料なんてそんなに見つけられないし…。忙しくて俳句を作るタイミングがないし…。季語だって知らないし…。
そんな悩みを解消すべく、季語を除いた12音の「俳句のタネ」を見つけるためのヒントが31日分掲載されています。作った12音に、月替わりで紹介されている季語を「取り合わせ」ると、あっと言う間に一句できてしまいます。

 


日替りの「俳句をつくるヒント」は、家に居ながら想像を広げてみるもよし、ヒントにそって吟行に行ってみるもよし!
また、一つのヒントに月毎の「季語」が解説付きで載っていますので、同じヒントでありながら、「季語の違いで全く違った気分に変化していく『取り合わせ』俳句」の面白さを体感してもらえます。慣れてきたら、ヒントに縛られずに、載っている季語から発想を広げてもOK!もちろん、ヒントはそのままに、別の日の季語で遊んでみてもOKです。
ヒントにピッタリの優しいイラストもとても可愛らしく「やってみたい」気分になれそうです。1ヒントに1句作るだけでも、31句が完成!続けていけば、一回りするごとに、自分自身の発想の変化に気がつけるかも知れません。

ぜひこの機会に、俳句作りにチャレンジしてみませんか。目指すは1日1句!?
卓上でも壁掛けでも使えます!

  • 2018.09.01 Saturday
  • 10:27

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊ご紹介

『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』

「おわりに」に、たいへん分かりやすい俳句本のジャンル分けが示されています。

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俳句入門本

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本書は、△離織ぅ廚遼椶如◆崋尊櫃貿亢腓鬚呂犬瓩燭ぁ」と思っている人が「基本をしっかりと独学するための一冊」です。

 

 

俳句“ど素人”の編集者「秘英知(ぴーえいち)」(PHPのもじりから俳号を作った会社愛に満ちた真面目青年)さんが、読者代表として俳句を学んで行く中で、読者も共に俳句を詠めるようになっていくという趣向ですので、ガチガチのお勉強感なく学べるスグレモノです。例えば、「一物仕立て」を学ぶ段で、実際に季語「蟋蟀(こおろぎ)」と対決する虫嫌いの「秘英知」さんの悪戦苦闘(!?)ぶりなども可笑しく、必読です!

楽しみ、また共感しながらも、「取り合わせ」や「一物仕立て」が何であるのか、句のチェックの仕方や、五感や第六感の使い方などなどもしっかり押さえる本書。どんな人にもオススメできる、文字通りの俳句入門書ができました。

  • 2018.07.21 Saturday
  • 11:26

俳句関連・書籍など 紹介

星野高士『俳句真髄−鬼の高士の俳句指南』

「そもそも俳句の『俳』という文字は、『遊ぶ・戯れる・おどける』という意味である。人と違ったことをして楽しまなければ俳人ではない。」との本文に象徴されるように「遊び心」をもって、俳句を楽しみたい初心者への指南書です。

 

 

「季題」の魅力や、「季題との付き合い方」はもちろん、俳句でよく言われる「写生」についても、「写生と写実」の違いをあげて「スケッチ」だけに止まらない「俳句にとっての写生」が語られます。「『一歩近づく』のではなく、『一歩離れる』」写生、また、「着眼点を、どうやったら相手に伝えられるかを考える」ことで生まれる「客観性」など、例句をあげながら、初心者の疑問が一つ一つ解き明かされていきます。最終章は、「添削道場」で、具体的な添削例は実作の際のヒントになりそうです。

「いい句」ではなく「おもしろい句」を目指す、個性的な魅力ある俳人になるための一冊です。

 

**************

 

記録的な大雨で、各地で大変な被害がでています。松山の雨脚は弱まってきましたが、降り続く雨音をここまで恐ろしく感じたのも初めてのことで、自然を前にしてなすすべもない無力さを感じています。被害に遭われた方の少しでも早い救助と復旧を、そして、これ以上被害が広がらないことを心より祈りるばかりです。まだ雨は続くようです。どうぞ、皆様くれぐれもお気をつけてください。

  • 2018.07.07 Saturday
  • 23:07

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊ご紹介

『夏井いつきの「時鳥」の歳時記』

 


一つの季語に特化して徹底解剖する歳時記の第三弾は「時鳥」。美しい写真とあわされる名句が、有名俳人の句だけでなく、市井の俳人から投句された副会長・夏井の特選句であることも目玉の一つです。
また、本シリーズの人気コーナー、ローゼン千津さんのサイエンスインタビューは、日本野鳥の会の安西英明さん。自然科学の視点から、托卵をはじめとした時鳥の生態と謎が明らかにされていきます。

 

 

今回は新しい企画として、一種類の鳥でありながら、多くの傍題(呼び名)を持つ「時鳥」という季語について、その由来や使われ方などを『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』の歌を参考にしながら繙いていく「季語詳説」が加わりました。
この章は私が担当したのですが、三大和歌集の全「時鳥」の歌を分類し、一目で分かるように分布グラフにしました。「時鳥が夏を代表する季語となった理由に『万葉集』の編者と言われている大伴家持が関係していた!?」というところからスタートの「季語詳説」。ぜひご一読ください。
そして、「雪」「花」「時鳥」と続いてきたこのシリーズも、次はいよいよ「月」です。すでに「月」の句の募集も始まっています。ご投句もお忘れなく!

  • 2018.06.09 Saturday
  • 00:59

俳句関連・書籍など 紹介

寺山修司『寺山修司の俳句入門』

「短歌・詩・小説・エッセイ・シナリオ・演劇・映画・写真から競馬、ボクシング評論まで、多彩な分野で時代をリードし、四十七年という<持ち時間>を駆け抜けていった寺山修司。この多面的、多層性の表現者の出発が俳句であったことは今ではよく知られている。」

「解題 寺山節考−入門から出門へ」齋藤愼爾 より

 

事務所の書庫で見つけた本書。寺山修司ファンの一人として、彼がどんな入門書を書いたのだろう…と気になり思わず手に取りました。

結論から言うと…、初心者向けに作られた、実用的な俳句の入門書ではありませんでした(笑)寺山修司没後に編まれたもので、評論的な内容がメインで、「寺山俳句を知るための入門書(齋藤愼爾)」というのが一番正しい題名の解釈と言えそうでした。入門書だと思って入ったので、まず本書に慣れるのに随分苦戦してしまいました(笑)

 

 

彼の活動のスタートを彩る俳句との数年は、主に高校時代に当たるのですが、彼が興した十代の全国俳句誌「牧羊神」にからむ座談会や、句会の記録などなど、どれを読んでもその成熟ぶりに驚きます。「私ら新世代によって革命化された新理想詩」としての俳句を目指していて、俳句もひりひりとした若さに溢れています。

 

流すべき流灯われの胸照らす

便所より青空見えて啄木忌

詩人死して舞台は閉じぬ冬の鼻

秋風やひとさし指は誰の墓

法医學・櫻・暗黒・父・自瀆

 

個人的には、彼が俳句をやめたずっと後に、俳句雑誌に依頼されて書いた文章やインタビューなどが、俳句との距離感もあり面白く、より示唆に富んでいるように感じました。日本の近代以降の文学における「私」性の問題なども、寺山修司流に昇華されていき、彼が俳句や短歌をやめた後に演劇だったのも納得できた気がしました。寺山修司は演劇を、肉体そのものが投げ出される「一人の作者の『私の呪縛』などと無縁のもの」であり、「社会科学を挑発する表現形式」として選び取ったのでしょう。

 

もともと「自分」というのは一つの連続体だっていうふうに思っていないですからね。昨日の自分と今日の自分とが同じだという意識はぜんぜん持てない。それらをつないでいるのは言説の次元のことにすぎないのであって、昨日の自分は「他人」の比喩です。

インタビュー「俳句、その出会いとわかれ」より

  • 2018.05.04 Friday
  • 14:15

俳句関連・書籍など 紹介

谷さやん『空にねる[俳句とエッセー]』

私が俳句に出会った頃、唯一参加していたのが石田波郷勉強会&句会(in五十朗先生邸)で、ここで出会ったのが谷さやんさんでした。現在は、年に一度お会いできるかできないか…くらいですが、常にあの頃の感覚を呼び覚ましてくださる先達です。
第一句集『逢ひに行く』、芝不器男その人に迫る『芝不器男への旅』に続く次は…、なんと「俳句とエッセー」!『逢ひに行く』以後の俳句に、愛媛新聞で半年間連載された「四季録」のエッセーが加わった一冊で、俳人の面に止まらないさやんさん個人の魅力が伝わってきます。

 

 

とにかく、読んでいて心地よいエッセー群。おそらくそれは、さやんさんの周りにいる句友などへの眼差しの温かさからきているのだと思いますが、まさに、自分を前面に出すのではなく、常に自分の隣にある何か(誰か)に心を寄せるさやんさんならではの味とも言えます。
変幻自在の俳句は、選べないくらいに好きな句がずらり!今の気分でエイヤッと何とか十選にしました。(掲載順)

 

玉虫を包むハンカチになろうとは
水抜いて白磁の壷のあたたかし
初雪に木仏の耳の重たそう
蜜柑ほどですが心は冷えている
祝福の悴んでいる拍手かな
冬蜂もデモ行進も退路あり
水面のぽこんと凹む無月かな
第三のビールのしずく拭くジャケツ
福引の白が気の毒そうに出る
雲が湧く揚羽もわれも可燃性

 

まだまだ沢山…。意味深すぎて深読みしたくなりすぎる俳句も沢山ありますので、ぜひ『空にねる』でどうぞ。

  • 2018.04.28 Saturday
  • 17:28