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w closet×JUGEM

俳句関連・書籍など 紹介

星野高士『俳句真髄−鬼の高士の俳句指南』

「そもそも俳句の『俳』という文字は、『遊ぶ・戯れる・おどける』という意味である。人と違ったことをして楽しまなければ俳人ではない。」との本文に象徴されるように「遊び心」をもって、俳句を楽しみたい初心者への指南書です。

 

 

「季題」の魅力や、「季題との付き合い方」はもちろん、俳句でよく言われる「写生」についても、「写生と写実」の違いをあげて「スケッチ」だけに止まらない「俳句にとっての写生」が語られます。「『一歩近づく』のではなく、『一歩離れる』」写生、また、「着眼点を、どうやったら相手に伝えられるかを考える」ことで生まれる「客観性」など、例句をあげながら、初心者の疑問が一つ一つ解き明かされていきます。最終章は、「添削道場」で、具体的な添削例は実作の際のヒントになりそうです。

「いい句」ではなく「おもしろい句」を目指す、個性的な魅力ある俳人になるための一冊です。

 

**************

 

記録的な大雨で、各地で大変な被害がでています。松山の雨脚は弱まってきましたが、降り続く雨音をここまで恐ろしく感じたのも初めてのことで、自然を前にしてなすすべもない無力さを感じています。被害に遭われた方の少しでも早い救助と復旧を、そして、これ以上被害が広がらないことを心より祈りるばかりです。まだ雨は続くようです。どうぞ、皆様くれぐれもお気をつけてください。

  • 2018.07.07 Saturday
  • 23:07

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊ご紹介

『夏井いつきの「時鳥」の歳時記』

 


一つの季語に特化して徹底解剖する歳時記の第三弾は「時鳥」。美しい写真とあわされる名句が、有名俳人の句だけでなく、市井の俳人から投句された副会長・夏井の特選句であることも目玉の一つです。
また、本シリーズの人気コーナー、ローゼン千津さんのサイエンスインタビューは、日本野鳥の会の安西英明さん。自然科学の視点から、托卵をはじめとした時鳥の生態と謎が明らかにされていきます。

 

 

今回は新しい企画として、一種類の鳥でありながら、多くの傍題(呼び名)を持つ「時鳥」という季語について、その由来や使われ方などを『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』の歌を参考にしながら繙いていく「季語詳説」が加わりました。
この章は私が担当したのですが、三大和歌集の全「時鳥」の歌を分類し、一目で分かるように分布グラフにしました。「時鳥が夏を代表する季語となった理由に『万葉集』の編者と言われている大伴家持が関係していた!?」というところからスタートの「季語詳説」。ぜひご一読ください。
そして、「雪」「花」「時鳥」と続いてきたこのシリーズも、次はいよいよ「月」です。すでに「月」の句の募集も始まっています。ご投句もお忘れなく!

  • 2018.06.09 Saturday
  • 00:59

俳句関連・書籍など 紹介

寺山修司『寺山修司の俳句入門』

「短歌・詩・小説・エッセイ・シナリオ・演劇・映画・写真から競馬、ボクシング評論まで、多彩な分野で時代をリードし、四十七年という<持ち時間>を駆け抜けていった寺山修司。この多面的、多層性の表現者の出発が俳句であったことは今ではよく知られている。」

「解題 寺山節考−入門から出門へ」齋藤愼爾 より

 

事務所の書庫で見つけた本書。寺山修司ファンの一人として、彼がどんな入門書を書いたのだろう…と気になり思わず手に取りました。

結論から言うと…、初心者向けに作られた、実用的な俳句の入門書ではありませんでした(笑)寺山修司没後に編まれたもので、評論的な内容がメインで、「寺山俳句を知るための入門書(齋藤愼爾)」というのが一番正しい題名の解釈と言えそうでした。入門書だと思って入ったので、まず本書に慣れるのに随分苦戦してしまいました(笑)

 

 

彼の活動のスタートを彩る俳句との数年は、主に高校時代に当たるのですが、彼が興した十代の全国俳句誌「牧羊神」にからむ座談会や、句会の記録などなど、どれを読んでもその成熟ぶりに驚きます。「私ら新世代によって革命化された新理想詩」としての俳句を目指していて、俳句もひりひりとした若さに溢れています。

 

流すべき流灯われの胸照らす

便所より青空見えて啄木忌

詩人死して舞台は閉じぬ冬の鼻

秋風やひとさし指は誰の墓

法医學・櫻・暗黒・父・自瀆

 

個人的には、彼が俳句をやめたずっと後に、俳句雑誌に依頼されて書いた文章やインタビューなどが、俳句との距離感もあり面白く、より示唆に富んでいるように感じました。日本の近代以降の文学における「私」性の問題なども、寺山修司流に昇華されていき、彼が俳句や短歌をやめた後に演劇だったのも納得できた気がしました。寺山修司は演劇を、肉体そのものが投げ出される「一人の作者の『私の呪縛』などと無縁のもの」であり、「社会科学を挑発する表現形式」として選び取ったのでしょう。

 

もともと「自分」というのは一つの連続体だっていうふうに思っていないですからね。昨日の自分と今日の自分とが同じだという意識はぜんぜん持てない。それらをつないでいるのは言説の次元のことにすぎないのであって、昨日の自分は「他人」の比喩です。

インタビュー「俳句、その出会いとわかれ」より

  • 2018.05.04 Friday
  • 14:15

俳句関連・書籍など 紹介

谷さやん『空にねる[俳句とエッセー]』

私が俳句に出会った頃、唯一参加していたのが石田波郷勉強会&句会(in五十朗先生邸)で、ここで出会ったのが谷さやんさんでした。現在は、年に一度お会いできるかできないか…くらいですが、常にあの頃の感覚を呼び覚ましてくださる先達です。
第一句集『逢ひに行く』、芝不器男その人に迫る『芝不器男への旅』に続く次は…、なんと「俳句とエッセー」!『逢ひに行く』以後の俳句に、愛媛新聞で半年間連載された「四季録」のエッセーが加わった一冊で、俳人の面に止まらないさやんさん個人の魅力が伝わってきます。

 

 

とにかく、読んでいて心地よいエッセー群。おそらくそれは、さやんさんの周りにいる句友などへの眼差しの温かさからきているのだと思いますが、まさに、自分を前面に出すのではなく、常に自分の隣にある何か(誰か)に心を寄せるさやんさんならではの味とも言えます。
変幻自在の俳句は、選べないくらいに好きな句がずらり!今の気分でエイヤッと何とか十選にしました。(掲載順)

 

玉虫を包むハンカチになろうとは
水抜いて白磁の壷のあたたかし
初雪に木仏の耳の重たそう
蜜柑ほどですが心は冷えている
祝福の悴んでいる拍手かな
冬蜂もデモ行進も退路あり
水面のぽこんと凹む無月かな
第三のビールのしずく拭くジャケツ
福引の白が気の毒そうに出る
雲が湧く揚羽もわれも可燃性

 

まだまだ沢山…。意味深すぎて深読みしたくなりすぎる俳句も沢山ありますので、ぜひ『空にねる』でどうぞ。

  • 2018.04.28 Saturday
  • 17:28

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊ご紹介

夏井いつきの「花」の歳時記
一つの季語に特化したカラー歳時記第二弾!

 


今回は桜づくし。とにかく美しい!

様々に表情を変える桜の写真と俳句とのコラボレーションが見所の一つですが、有名句だけでなく、市井の俳人から応募されたバリエーションに飛んだ48句が載っていて、それらが絶妙な並びの中で味わえるのも楽しい一冊です。
また、桜の専門家との科学的インタビューに加えて、実際には350種あるという桜の中から選ばれた厳選100種の「桜図鑑」もカラーで掲載されており、「俳句はまだ…でも桜のことを知りたい!」という方にもオススメ書籍になっています。

 


「桜」ならではの構成で、「雪」の歳時記とはまた違った味わいの一冊です!
夏には「時鳥」が刊行予定とのこと!「時鳥」でも、有名句とのコラボ企画は継続のようです。夏に向けて、「時鳥」の投句にチャレンジする春にしてはいかがでしょう!
 

  • 2018.03.03 Saturday
  • 09:51

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊より2冊ご紹介

〜2018年俳句を始めてみませんか?〜

 

 

『2018年版 夏井いつきの365日季語手帖』(レゾンクリエイト)
毎日、季語と名句を一つずつ味わい、その季語を使った俳句も記録できる、俳句のある365日を送るための一冊。記入欄には発想のヒントもついています。

また、詠んだ俳句を投句すると、優秀句は次年度の季語手帖に掲載されるという特典付きなので、2018年度版には、読者から投稿された俳句が、各季語ごとに掲載されています。愉快なのは、季語毎の選句なので、投句が一句しかなかったものも「ラッキー掲載」されていること。初心者でも、投句の少なそうな季語にチャレンジすれば掲載されるチャンスありです!その上、2019年度版では、投稿俳句が本編の名句鑑賞にも採用されるとのこと。投句や書籍掲載などの目的をもって俳句を始めたい人にオススメです。

 

 

『2択で学ぶ赤ペン俳句教室 』(ヨシモトブックス)−バラエティ番組「プレバト! ! 」の公式本第2弾!−
俳句を学びたい人のための、番組で出てきた俳句を使った「俳句教室」。番組の記録としても楽しめますが、どちらが才能アリかの2択問題を解いたり(1章)、名人・特待生の昇格か降格かを考えたり(2章)、赤ペン先生に代わって添削したり(3章)…と、どの章も問題を読者が自分の頭で考えていくことで、俳句の構造や詩の生み方などの「才能アリ」の極意などが学べる一冊になっています。
過去に見た番組が、問題を解いていくときのヒントになって回答までの道筋を助けてくれるので、難しい俳句の勉強はどうも…という人に、気軽に始めて深く学べるオススメの書。番組を見ていない人も、詳しい解説があるのでしっかり学べます!

もちろん、公式本ならではの裏話も!

  • 2018.01.08 Monday
  • 10:52

俳句関連・書籍など 紹介

会長・三浦和尚の新刊 ご紹介

『高校国語科授業の実践的提案』三省堂
授業の様子がネット配信で見られます!(書籍に記載のパスワード入力が必要です)

「愛媛大学附属高等学校国語科教育研究会」で公開された会長の提案授業を中心にまとめられた一冊。
・芥川龍之介「蜜柑」
・伊勢物語60段「宇佐の使ひ」
・松沢哲郎「想像する力」
・高村光太郎「レモン哀歌」
公開授業以外にも、「藪の中」を導入にして「「新聞記事」の学習へと発展させていく、話し合い活動あり、作文→意見文ありの、トータル14時間の実践記録も収録されています。

その他「授業研究」の意義やあり方を述べた「総論」や、「発問の意義」の講演記録など。

思わず、自身の「授業」のあり方を問い直してしまう「実践的提案本」です。

 

※参考※

今年度も「第6回愛媛大学附属高等学校国語科教育研究会」(平成30年2月20日・火)で提案授業が公開される予定です。
研究会が近づきましたら、附属高校のHPに設置される申し込み専用バナーからお申し込みください。現在はまだバナーは設置されておりません。12月15日にHPにて情報が公開されました。以下をクリックください)

詳細はこちら

申し込みフォームはこちら

 


『国語教育実践の基底』三省堂
今年3月に愛媛大学の定年を迎えた会長がその節目にと、国語教育実践のために必要な意識や具体的な工夫などをまとめた「論考」集。(定年後も、引き続き愛媛大学名誉教授・特命教授・副学長として在籍中)
中から、nhkkの活動に近い内容をご紹介。
・教材教育へのアプローチ 読むことの学習指導の方法改善にむけて 
取り上げられる俳句教材は、
石田波郷「子を思ふ日ねもす捨菊見えてをり」
高浜虚子「春風や闘志いだきて丘に立つ」
池田澄子「じゃんけんで負けて蛍に産まれたの」
教師のたくらんだ学習ではなく、いかに読者として読ませていくか、学習指導改善への意識が目覚めます。
・国語科授業実践方法の基底 俳句の創作教育のあり方
俳句創作の意義・方法→句会ライブまで。

『坪内稔典の俳句の授業』や、nhkkの『俳句の授業ができる本 創作指導ハンドブック』も紹介されます。
「俳句を作って終わりではなく、その後どうするかというところに国語教育としての大きな意味を見いだすことができる」という会長ならではの切り口での俳句創作の論考。

 

  • 2017.12.03 Sunday
  • 19:51

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊より2冊ご紹介

『クスリと笑える、17音の物語。寝る前に読む一句、二句。』夏井いつき・ローゼン千津(ワニブックス)
「合わせ鏡のように似ている部分と水と油のように正反対の部分を持ち合わせている」姉妹ならではの「ケーハクな『ケーハツ本』」ということで、テンポ良く交わされる「勝手気ままな俳句談義」は、二人の人となりを赤裸々にしていきます。俳句を語っているのか…、人間を、人生を語っているのか…。読者は1句、2句では止まらないこと間違いなし(笑)
山口洋佑さんのイラストも文句なく素敵で、カラーで大放出。俳句の世界も、話に登場する家族達のイメージもさらに広げてくれます。俳句のイメージを覆す(!?)、愉快な対談本です。

 

 

『夏井いつきの「雪」の歳時記』(世界文化社)

「雪」だけで、歳時記を作ってしまった一冊。有名な雪の俳句から、副会長のブログで募集し特選に入った市井の俳人の句までが「名句」として同列に紹介される驚きの趣向!
美しい雪のカラー写真・名句とともに、雪の様々な表情を味わうことができます。それにしても、愛媛生まれの私には驚くほどに雪の呼び名の多いこと!それぞれの雪について、荒木健太郎さんとの雪の秘密についての気象学的な対談も収録されています。
今後、花・時鳥・月と「○づくし」歳時記は続いていく予定とのこと。有名俳人の句と一緒に本になるチャンスです。チャレンジするのも一興かもしれません。

 

  • 2017.11.11 Saturday
  • 21:00

俳句関連・書籍など 紹介

『むーさんの自転車』ねじめ正一

”平成版・純情商店街”「むーさんの自転車」ねじめ正一。

小説の中に散りばめられた小林一茶の句がとてもいい。いわゆる、一茶節の句というよりは、現代人の心に共振する俳句が引かれていて、「人とは、何と悲しく切なく愛しいものなのか…」、との思いをつのらせていきます。

ままならない世を、手探りで進んでいく主人公たち。その生きるよすがとなっていく一茶の句。新しく現代的な一茶の解釈本ともいえる小説です。

 

  • 2017.09.04 Monday
  • 21:12

俳句関連・書籍など 紹介

朗読 源氏物語 全五十四帖 (全八巻) Pan Rolling / digigi

『源氏物語』全五十四帖。与謝野晶子による現代語訳をすべて朗読し、オーディオ化したCDセット。夏井いつき副会長の推薦文にひかれ、通勤の車内で聞いています。

 

 

私の義弟ニックは、チャイコフスキー国際コンクール優勝の経歴を持つアメリカ人チェリストだ。若い頃からアーサー・ウェーリー訳の源氏物語が愛読書。世界の本屋には各国の言語で訳された源氏物語が置かれている、と聞く。飛行機で隣り合った人と源氏物語の話で盛り上がる。源氏物語に憧れる外国人ファン聴いていると心が癒される。楽の調べのような岡崎弥保さんの声にも、同じ癒しの力がある。幼い頃眠るまで耳元で語ってくれた母の声のようにも思える。目を閉じれば、艶やかな女御の壺の燭の灯、さやさやと衣擦れ、新作の恋物語に笑い涙する人々、そんな風景が耳から直に心を揺さぶる。
今も昔も世界中の人を虜にする源氏物語に、日本人も改めて触れ親しめる機会がここにある。――俳人 夏井いつき

 

 

耳から入ってくる与謝野源氏。思った以上に記憶に残っていきます。また、衣擦れの音からその人の気配を感じるなど、現代以上に五感を研ぎ澄ましていたであろう平安時代が舞台であるというのも、耳から味わうのによく合っています。さながら、平安の女房の読み上げる源氏を聞いているかのようで、物語世界に自然にワープしていきます。各巻の冒頭の晶子の歌も耳に快く、歌で平安の世と現代を繋いでくれます。晶子にならってそれぞれ一句ずつ詠んでいくのも一興かもしれません。
伊井春樹先生監修のフルカラーの特別冊子も、分かりやすくてとても美しい。遠い大学時代、幸運にも受けることのできた伊井先生の集中講義を懐かしく思い出してもいます。

また、オーディオCDでは78枚(全8巻)の膨大な枚数になるのですが、MP3データ3枚組が選べるようにもなっていて、手に入れやすいのも嬉しいところです。

 

 

  • 2017.04.16 Sunday
  • 20:44