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w closet×JUGEM

俳句関連・書籍など 紹介

江國 滋『俳句とあそぶ法』

1984年に単行本で発売、1987年には文庫化されるなど、昭和の俳句ブームを牽引したといわれる江國滋さんの俳句入門書が復刊されました。

裏表紙には、

 

「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。

 

と紹介されています。

 

 

あくまで江國さんは「素人料簡に徹したつもり」であり、だからこそ、ふざけずに「大まじめに書いたつもり」だと言いきります。

とはいえ、鷗外や漱石の句を添作してみたり、死亡記事から追悼句の実作演習をしてみたり……と、「くだければくだけるほど楽しい」と感じながら、まさに「俳句とあそぶ」江國さんの息づかいに満ちた一冊となっています。江國さん自身が滋酔郎の俳号で参加していた、小沢昭一さんや、永六輔さんらと作った「東京やなぎ句会」の話題も登場します。

初版は、40年近く前に出た本ですが、「俳句とあそぶ」とは今を楽しむことであり、時を経ても俳句の楽しみ方は変わらないのだな、と感じさせられた復刊本でした。

 

俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ! 真剣に遊ぶ。江國滋流俳句の楽しみ方――俳人・夏井いつき(帯より)

  • 2023.07.22 Saturday
  • 00:07

俳句関連・書籍など 紹介

梅沢富美男『句集 一人十色』

プレバト!! 初の永世名人の句集が刊行されました。

番組内で、50句の完成と句集刊行が発表されるや否や、予約が殺到して、発売前に重版が決まったという話題の句集です。

 

梅沢富美男「達成できて本当にうれしい」『プレバト!!』で詠んだ傑作50句掲載の句集「一人十色」発売決定

 

【梅沢富美男】句集「一人十色」発売会見

 

ヤフーニュースや、YouTubeにも会見の模様があげられていましたが、

副会長の

「出来上がった句集は、手にとって成果のあるものになっておりますので。芸能人がちょっと作ったとか、そういう扱いには絶対にしないでください。 ちゃんとした文芸作品としての1冊です」

の言葉の通り、句集には、梅沢富美男さんらしい50句が並んでいます。

先日のプレバト!! では、特集番組も放送され、掲載の50句以外の俳句も含めて、たくさんの梅沢さんの句が紹介されていていました。


『プレバト!!』放送400回!梅沢富美男の句集完成までの道のりを振り返る

 

 

一般の句集は、俳句のみが載せられていることが多いのですが、『句集 一人十色』はヨシモトブックスさんならではの味わいの一冊となっています。

前半は、まさに句集という佇まいで50句が掲載されており、俳人として梅沢さんが目指してきたものが形となっています。

後半は梅沢さんの歴史が詰まったページで、「永世名人への軌跡」、梅沢×夏井対談、添削からの学びのページ、梅沢さんのインタビュー、など盛りだくさん! 

プレバト!! 10年の重みの一つの形として、感慨深くページをめくりました。


「プレバト!!」10周年で浜田雅功が語る! 「僕が何らかの査定に出た時は、最終回だと思ってください!(笑)」

  • 2023.04.16 Sunday
  • 15:44

俳句関連・書籍など 紹介

谷さやん『谷さやん句集』

谷さやんさんの第二句集『谷さやん句集』です。

「夏柑ひとつ」の章には、この4年間で詠まれた200句が収録され、後半には、以前このブログでもご紹介した『空にねる[俳句とエッセー]』から改めて199句が再録(「空にねるの章」)されています。

プレゼントを包んで手渡されたような美しい装丁の句集で、お土産にいただいたスイーツの箱を開くような気分で手に取りました。

 

 

「夏柑ひとつ」の章

帯で坪内稔典さんが取り上げられている「首謀者はこの捩花か透きとおる」も大好きな句でしたが、他にも心動かされる句がたくさん。私の超個人的なざわざわ感(!?)好みで、エイヤッと選んだ捩花以外の10句。

 

桜咲く人間以外みな真顔

肉親やつくづく枇杷の皮厚い

走り梅雨耳たぶ触ってひっぱって

ふしだらに蜘蛛の太って惑星も

新涼の鏡よどこの馬の骨

学問の自由石榴に割れぬ自由

木枯に卵は羽根が生えそうよ

父の日の窓の雨雲父かしら

とんび今わたしの呼吸冬の海

屑みかん星に名前をつけましょう

 

また、自然体で季語の只中に存在しているような句群も魅力的に感じましたし、リアルな映像が見えるような句にはにやりとしてしまいました。

 

来た順に好きにすわって花の中

蟬の声あれは大陸からの風

打ち合わせ雪に脱線していたる

寒鴉空ごと降りてくるような

 

ペコちゃんの舌になってる雪が降る

帰宅してまず伊予柑にグータッチ

鹿の子が視力検査の窓に来て

隣合わせに尻もちと桜貝

 

「空にねるの章」の、前回抽出の句(省略します)は今回も好きでしたが、4年を経てまた新たに

 

昼顔やひさしくわが血みておらず

秋星へライオンひとつ寝返りす

猫の眼のひらりと戻る牡丹雪

いちどきり雪をみし眼の雛しまう

空にねる脚長蜂をおこしたか

蟬が死にあらがう音か月の屋根

遅刻するつもりの鞄秋の雲

柚子湯してほろびた国の夢をみて

秋風や口の限りのあくびして

さわやかに観音様へ切る十字

 

などにも心惹かれました。

やはり、『谷さやん句集』は、色とりどりの美しいスイーツの詰まった箱で、一句一句を美味しく味わいました。

  • 2022.11.20 Sunday
  • 17:59

俳句関連・書籍など 紹介

夢枕獏『仰天・俳句噺』

全く文字通り「仰天」した作品でした。夢枕獏さんが、リンパがんのステージIIIと診断され、闘病のため、ほとんどの連載がお休みになったことをきっかけに書いたエッセイなのですが、とにかく自由に、思うままに書かれたエッセイで、大笑いしながら読み進めました。一つの話題がどんどん広がっていって、想定していた話は次回に持ち越し、なんてもの度々で(笑)それも含めて、夢枕獏さんの頭の中を覗いているようで、まさに抱腹絶倒の濃厚な一冊でした。

 

文筆家たるもの、どのような現象であれ、それを楽しむ余裕というか、意地というか、遊ぼうという心意気が必要であるのは言を俟ちません。これまで以上に、楽しく、狂ったように踊りまくらねばなりません。

 


 

そんな中、話題の中心となるのが、獏さんが長年秘かに続けていたという俳句についてです。縄文の神が宿ると季語になるとか、縄文の神と交信する17音の物語が俳句であるとか、俳句は季語の背後の物語であるとか、大胆ながらも、示唆に富む説が丁寧に展開されていて、興味深い読書体験でした。

 

実は、個人的に夢枕獏さんは初読みで、いまだに小説を手にとったことがありません。これはぜひ読まねばならない! と思いつつ……、いろんなジャンルがありそうなので、どれをにしようか悩みはじめたところです。

 

以下、連載が始まった当時、この書籍について触れている『夏井いつき俳句チャンネル』の「【正人が大ファン】夢枕獏さんを紹介します」のリンクです! ご参考までに〜!

 

(画像は『夏井いつき俳句チャンネル』より)

  • 2022.08.27 Saturday
  • 00:07

俳句関連・書籍など 紹介

夏井いつき『瓢簞から人生』

副会長の新刊エッセイの紹介です。

女性セブンでの1年間の連載に、2編を加筆! 「これだけはどうしても書いておきたかった」「思いもよらぬ人生の悲喜交々と、俳句の日々を綴った」45編のエッセイ集です。笑ったり、泣いたり、心震わされたり……、胸が熱くなるエピソードが詰まっていて、まさに、装画の抽象画が象徴するような、様々な味わい方のできるエッセイ集です。

 

 

師匠となる黒田杏子さんとの出会いや、夢枕獏さんとの交流などなど、人生で出会った忘れ得ぬ人たちとのエピソードを軸としながら、『プレバト!!』や『一句一遊』の誕生秘話や、俳句の種蒔き活動への思い、そして、3歳を最年少にバラエティ豊かな佳句も紹介されていきます。中でも、若くして亡くなった父の物語を頂点とした副会長の原風景を描いたエピソード群は、エッセイの枠を越えた物語のような味わいとなっています。

装丁も、ソフトさ&シンプルさと重厚感のミックス具合が絶妙な佇まいで、まさにエッセイの内容そのもの。ぜひとも、コロッと収まる感じを手にとって楽しみながら、副会長のこれまでが詰まった物語を、コロッと胸に納めて頂きたい! そんな一冊となっています。

  • 2022.08.13 Saturday
  • 10:38

俳句関連・書籍など 紹介

『夏井いつきの「今日から一句」』

副会長の新刊紹介です。

教育誌『灯台』での連載を書籍化したもので、読者の投句を例句に、添削も含めた俳句づくりのイロハが学べるように再構成された一冊です。さらに、書籍化にあわせて、超初心者であった編集者「くじら」さんと「水流(つる)」さんの成長の軌跡も「Talk Session」として掲載されています。

 

俳句は筋トレと同じで、続けていけばいくほど間違いなく筋力はついていきます。それを「俳筋力」と呼んでいますが、身についた筋肉は人を裏切りません。「継続は力なり」とは、まさに俳句修業そのものを言い表す言葉です。

 

編集者二人の6年にわたる「背筋力」育成体験はいかに!? 読者の投句を元に、具体的に学ぶことのできる本書で俳句を初めてみませんか!?

 

Step1 俳句の基本の “基“

Step2 「オリジナリティ」と「リアリティ」

Step3 「取り合わせ」と「一物仕立て」

Step4 季語を信じる

Step5 映像を切り取る

Step6 まだまだ続く俳句修業

Talk Session くじらと水流の成長物語

 


2022年7月28日付の愛媛新聞の一面に本書の広告を発見! 

 

俳句超初心者だった連載担当くじらさんが、本書発刊の感慨を込めた渾身の(?)一句

筋トレの苦節六年豊の秋  くじら

 

そこに載せられていた俳句に冠した「渾身の(?)」に、くじらさんの「これまで頑張ってきたぞ!」感を大いに感じさせられ、くすっと笑ってしましました。大げさな言葉選びが、大きな実りを感じさせる季語「豊の秋」とあいまってユーモラスでもあり、初心者の到達点を見ることができる一冊なのだと、改めて感じさせられました。

 

 

夏休みの宿題の参考図書にもぜひ!

  • 2022.07.30 Saturday
  • 16:14

俳句関連・書籍など 紹介

『婦人公論』6月号:夏井いつきの俳句レッスンのご紹介

『婦人公論』6月号[第二特集]毎日が楽しくなる 夏井いつきの俳句レッスンのご紹介です。

 

 

全11ページの小特集です。

各ページの見出しをご紹介すると、

 

カンタンに楽しく! 自分らしい俳句作り

どうすればいいの? 俳句の悩みQ&A

STEP1 「俳句のタネ」は、暮らしの中に無限にある

STEP2 『歳時記』と仲良くして「季語」に出合う

STEP3 「タネ」と「季語」の組み合わせ方

誌上添削コーナー 特別ライブ授業

STEP4 作った句に向き合う

ほかの人の句とアドバイスに学ぼう

楽しいときもしんどいときも俳句を「人生の杖」に

 

となっています。

初心者の方でも、簡単に一句が詠める構成になっています。

先生方は、授業や教材のヒントにもなりそうです!

 

 

『婦人公論』の第二特集、「毎日がたのしくなる 夏井いつきの俳句レッスン」から俳句のある生活をはじめてみませんか?

  • 2022.05.16 Monday
  • 11:08

俳句関連・書籍など 紹介

『夏井いつき、俳句を旅する』

副会長の新刊は、『夏井いつきの、俳句を旅する』!

2021年1月〜12月の間、「ごくうweb」で連載していた俳句と鑑賞のコラム「17音の旅」を、加筆修正・再構成した一冊です。

 

【俳句で旅する】江戸期から3歳児の俳句までカバーする新刊 プレゼントにも最適

(画像をクリックすると、「夏井いつき俳句チャンネル」の紹介動画がご覧いただけます)

 

四季折々、心の赴くままに選んだ107句を、1ページごとに色合いを変えていく鑑賞文とともに旅していく一冊です。

取り上げる俳句は、芭蕉・蕪村・一茶といった江戸期の俳人から、子規・虚子ら有名俳人の他、鷗外・賢治ら文豪の俳句、そして、ちまたの知られざる俳人の句(最年少は三才児)まで、バラエティ―豊かな俳句が並びます。

書籍化にあたり、巻末には、初心者にも分かりやすい「季語解説」が追加され、鑑賞にさらなる深みが加わっていく作りです。

 

 

本文はオールカラーの持ち運びしやすいサイズ! 挿画は和田治男さんの立体イラスト、デザインは朱猫堂の美しい装丁で、お友達や大切な方へのちょっとしたプレゼントにもピッタリです。
俳句を作る楽しみはすでに手に入れたという人も、自分で作るよりも俳句の鑑賞に興味があるという人も、『夏井いつき、俳句を旅する』で、俳句を読み解く楽しみをのぞいてみませんか?

  • 2022.04.09 Saturday
  • 17:10

俳句関連・書籍など 紹介

夏井いつき『句集 伊月集 鶴』

副会長の第三句集となる『伊月集 鶴』のご紹介です。

50代の作品に、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』「17音、言葉の力を信じて〜俳人・夏井いつき〜」で、その創作過程が紹介された、コロナ禍での26句「青き踏め」を加えた515句が収録されています。
 


・鶴の章 〈鶴食うてよりことのはのおぼつかな〉
・お降りの章 〈お降りや壺に緋いろの鳥しづか〉
・暖かの章 〈暖かをまるめたやうな小石かな〉
・陽炎の章 〈心臓部らし陽炎のあのあたり〉
・時鳥の章 〈水に根のひろがる夜の時鳥〉
・百合の章 〈一本の百合のごとくに戦はぬ〉
・月の章 〈二つ目の月産み落としさうな月〉
・黄落の章 〈百年を旅して黄落の一本〉
・余録 「青き踏め」
・あとがき 〈鶴を抱くやうな余生をたのしまん〉

 

イラストは、第一句集『伊月集 龍』第二句集『伊月集 梟』に引き続き、赤井稚佳さんです。

各章の扉に添えられた俳句と、赤井さんのイラストとのコラボも味わい深く美しく、心に灯がともる第三句集が完成しました。

  • 2022.01.18 Tuesday
  • 11:41

俳句関連・書籍など 紹介

『2022年度版 夏井いつきの365日季語手帖』

2022年最初の書籍紹介は、副会長の新刊『2022年度版 夏井いつきの365日季語手帖』です。毎日ひとつずつ「季語&俳句&鑑賞」に出会える『季語手帖』も6冊目となりました。

 

 

実作のヒントあり、書き込みOK、投句もできる読者参加型の書籍で、優れた作品は次年度の『季語手帖』に掲載されます。しかも、特選句は暦の俳句として採用されて鑑賞文つき! よく知られた俳人達の句と並ぶチャンスです。

投句はハガキのみでの受付! 『季語手帖』掲載の季語にチャレンジする2022年にしてみませんか!?

 

以下は、副会長のYouTube「夏井いつき俳句チャンネル」での紹介動画です。ご参考までに〜!

 

【365日季語手帖】2022年版が完成しました!

 

写真は「夏井いつき俳句チャンネル」より

  • 2022.01.02 Sunday
  • 12:03