Categories

Calender

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< April 2019 >>

Recent Entries

Archives

w closet×JUGEM

実践報告・お便り

福岡女学院高校「ラーニングカフェ『ミニ句会』第2回」

以前ブログご紹介しました福岡女学院高校「ラーニングカフェ『ミニ句会』即吟+みんなで句会(60分)」「ラーニングカフェ『ミニ句会』の感想」(担当:谷口奈々美先生)。引き続いて二学期に開催された二回目の句会の様子が、『わかぎ』第73号に掲載されましたのでご紹介いたします。

 

 

大学生二人、高校生三人、中学生一人、教員二名の八名で行われた句会結果は以下の通りです。「取り合わせの俳句の作り方」で五分で三句詠まれた方もいたようで、賞品のサンタクロースのチョコレートとをかけて、選句合評共に盛り上がったそうです。

 

ラーニングカフェ 句会結果

(画像をクリックすると、PDFファイルでご覧頂けます)

 

また、参加者それぞれに対して、谷口奈々美先生(俳号:真木柱)からコメントが添えられていました。ぜひご参考になさってください。

 

句会の講評

(画像をクリックすると、PDFファイルでご覧頂けます)

 

谷口先生は、日々の授業でも、句会にヒントを得て、グループ活動や看図アプローチを導入した作文実践などもされているそうです。その実践内容なども改めてご紹介できればと考えております。

 

nhkkでは、皆様からの実践報告や、俳句指導に関するご質問など、受け付けております。

メール nhkk.info@gmail.com  または、ブログのバナーよりお寄せください。

  • 2019.04.21 Sunday
  • 10:46

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

飯間浩明『小説の言葉尻をとらえてみた』

『三省堂国語辞典』編集委員の飯間浩明さんが、『小説宝石』に連載していた「辞書屋はこうして本を読む」を加筆修正して新書化した一冊です。取り上げられるのは、1960年以降に生まれた人気作家たちの2004年以降に発表された15作品です。(桐島、部活やめるってよ・オレたちバブル入行組・横道世之介・マチネの終わりに・八日目の蟬などなど…)

小説の言葉に注目しながら、それぞれの作品の内容やテーマなどを詳らかにしていく本なのかな、と思って手にとってみたのですが、読んでみると小説を読み深めていくための本ではなくて、国語辞書編集者ならではの言葉見つけ方、小説を読むときのアンテナの立て方を見せていくという趣向の本でした。小説を楽しむための本ではなくて、言葉への感覚を鋭くして「言葉を発見する」楽しみ方を知るための本と言えそうです。

 

 

辞書にまだ載っていない言い回しを探す辞書編集者の目線は、一般の読者にとっては新鮮なものです。飯間さんと共に小説言葉を追っていくことによって、こうやって言葉を集めていくのか! こんなふうに拘っていくのか! こうやって辞書は改められていくのか! と素直に驚かされました。普段から、飯間さんのようなアンテナを持つことはなかなか難しいですが、もしかすると、私たち一般読者でも、好きな作家の言い回しに注目して作家の独自性に近づいていくなどの楽しみ方は可能なのではないか、と感じさせられました。

「人のことば遣いにケチをつけるためにことば尻を捉えるのは感心しません。でも、ことばの面白さを見つけるために、ことばの端々にこだわってみるのもいいでしょう。」(エピローグより)

  • 2019.04.20 Saturday
  • 15:13

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

吉田修一『パレード』

第15回山本周五郎賞受賞作の『パレード』は、私がこれまで出会った吉田修一さんの作品の中で一番好きな作品でした。

ネタバレになるので詳細は書けませんが、とにかく最後の展開に驚きます。作者が何をどう組み込んでいたのか、自分はどこを素通りしてしまっていたのか、確かめられずにはいられない、必ずもう一度読み返さずにはいられない、そんな小説です。

 

 

5章に分かれたこの小説は、都内の2LDKのマンションをシェアしている男女5人それぞれの視点で語られていきます。パレードのように一人一人が行進していく中で、5人が重層的に肉付けされていき、最後の衝撃の展開まで繋がっていきます。

初読の段階では、「善意のみが入場可能な、出入り自由の空間」で、「深刻な自分は見せたくない」共同生活を送りながら、誰もが「この部屋用の私」を創りだし続けていること。誰かが知っている誰かは存在しても、みんなが知っている誰かなんてのはこの世に存在しないこと。誰かのために何かしてやれることなんてないこと…などが作品の中心にあるのだろうな…と読んでいたのですが、最後のおそろしいまでの現実を目の当たりにしてしまうと、人の心に存在する深い闇のようなものを意識せずにいられなくなります。

再読の際は、共同生活とは直接関係ないところでサラリと書き込まれている、「どんな悪人でも入場可能な、敷居の低い天国」「悦びに満ちた顔は、苦痛に歪む顔とそっくりだ」などなどの伏線的叙述が随所に書き込まれていて、(これ以上はネタバレになるので断念…)、再読時もかなり考えさせられ唸らされる作りになっています。また、おそろしき衝撃の展開が結末なのではなく、この後をどう読むか…、結末はそれぞれの読者にゆだねられている…そんな小説でした。その結末を選択(想像)する読者自身が問われている小説とも言えそうです。

  • 2019.04.13 Saturday
  • 16:25

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

俵万智『恋する伊勢物語』

『伊勢物語』の和歌を現代語の短歌に置き換えた現代語訳(「少年少女古典文学館 第2巻」に所収)でも知られる俵万智さんですが、本書は訳ではなく、『伊勢物語』から受けた刺激から、読み取ったり考えた「余計なこと」や「付け加えたくなった話」を自由に展開して、その魅力を読み解いていこうというもので、読売新聞日曜版の一年間の連載がまとめられた一冊です。

 

読書とは不思議なもので、そこに書いてあることについて考えるばかりでなく、そこに書いてないことについてまで、考えがどんどん広がっていってしまうことがしばしばある。

 

各章の扉に乗せられた、『伊勢物語』の歌を本歌取りにした歌も、その後に取り上げられる段への興味を掻き立てます。

 

恋せじといふ禊ありされど吾(あ)は恋して傷つくほうを選ばむ

 

これは、タイトルの由来ともされている「伊勢斎宮」との恋物語が取り上げられる第六十九段が含まれる章に置かれています。

 

 

教科書に載っている『伊勢物語』のイメージを払拭したい。在原業平の一代記ではなく、「おもしろいからこそ、古典といて読みつがれてきた」恋の見本市としての『伊勢物語』にスポットを当てたい。俵万智さんの古典への愛と、恋愛観までが垣間見られる『恋する伊勢物語』です。

  • 2019.04.06 Saturday
  • 21:10

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

原研哉『デザインのデザイン』

高等学校の「国語総合」の教科書に収録されているグラフィックデザイナー・原研哉さんの評論「白」。日本人の文化の美意識の原点に触れられる評論で、大変面白く、また興味深く、生徒たちにとっても実生活に引き寄せて考えさせられた教材でした。

 

 

その原研哉さんがデザインを語り、サントリー学芸賞を受賞したのが本書です。原さんならではのデザイン論に加え、実際に原さんが手がけられた具体的なデザインが写真入りで紹介されていて、門外漢でもとても理解しやすくなっています。例えば、原さんがボード・メンバーとして関わっている「無印良品」のアートディレクションのコンセプトなどについても、第四章「なにもないがすべてある」で一章を割いて語られています。

新奇なものをつくり出すだけが創造性ではなく、「見慣れたものを未知なるものとして再発見できる」ようデザインすることは、無から有を生み出すのと同じく創造的であり、それが、「ものと人との関係を豊かにすること」に繋がるというデザイン論。その価値に気付かずに蓄積された膨大な文化を未使用の資源として活用すること、自分たちの文化の美点や独自性を相対化し、熟成した文化圏としてのエレガンスを生み出そうとする姿勢が貫かれていて、それは「たたずまい」という表現にも象徴されるようです。「叡智は自然の側にあり人間はそれを汲み取って生きていると考えてきた」日本人独特の感性も思い出させてくれる一冊です。

 

少しでも多くの人にデザインに対する意識を持ってもらえたなら、それはデザインにとってもありがたいことである。そういうコミュニケーションもデザインなのだ。(「あとがき」より)

  • 2019.03.30 Saturday
  • 12:48