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備忘録〜個人的・書籍の感想〜

池田晶子『人生のほんとう』

中高生にも分かりやすく語りかけの文体で書かれた哲学入門書『14歳からの哲学』でも有名な池田晶子さん。『人生のほんとう』は、彼女のコミュニティ・カレッジの全6回の講義が収録されてた大人向けの哲学書。子ども向けの『14歳〜』では使えなかった、反語や逆接もふんだんに取り入れられていますが、「語り」の形式が取られているので、書き物を読むよりも分かりやすくなっています。

近代文学を専攻していた私自身は、近代小説の「自我」とか「個人性」といったものが哲学的思考に直結しているものと、安易に感じてしまっているところがあったのですが、池田さんの著作を読むと、哲学と文学は別物だとその根っこのところから覆えされます。いわゆるイメージとしての哲学を破壊するところからの出発で、日常で全く思いも寄らない(哲学的)考え方に浸っていく面白さを味わえます。

 

 

「普通に『人生』と呼ばれているものが何なのか、それを哲学的に考えるという話ですので、個人的な人生観ではないし、ましてや現世的処世訓でもない」(あとがきより)

 

詳細は、『人生のほんとう』を読んでもらうしかないのですが、「謎を生きているという自覚」のもとに、ただそこに「ある」こと。(哲学的には「ない」と言うべきなのかもしれませんが)その「ある」ものをとらえようとする捉え方の違いで、哲学になったり、宗教になったり、文学になったりするのだろうなとも感じました。とすると、別物とは言いながら、「言葉」というものを介して思索していくと言う意味で、やはり、人文科学という共通項があるのだとも改めて感じました。

少なくとも、常々大事な選択を迫られた時に「ご縁」を最優先してきた私には、とても受け入れやすい哲学的「人生」論でした。

  • 2018.02.17 Saturday
  • 15:54

募集&ご案内

教員対象 鑑賞と創作・セミナー情報

先日授業実践をご紹介しました福岡女学院中学校の谷口奈々美先生から、教員対象のセミナー情報を頂戴しましたのでお知らせいたします。

 

講座名:教員のための俳句入門ー鑑賞と創作と指導法のヒントー

上野一孝先生(3月31日駿台お茶の水8号館)

 

 

駿台教育研究所主催のイベントのようです。

 

セミナーご案内(ここをクリック)

 

↑にて詳細はご覧頂けますし、ページをお進み頂きますと、34ページに申し込み方法なども記載されていますので、ご参考になさってください。

 

※ 皆様、どうぞイベント情報等もお知らせください。

  • 2018.02.13 Tuesday
  • 17:56

実践報告・お便り

実践報告「名句で句会」「クラス句会」福岡女学院中学校

「クラス句会」や「名句で句会」などの俳句の授業を、アクティブラーニングとして取り入れていらっしゃる、福岡女学院中学校の谷口奈々美先生より実践報告が届きました。

谷口先生は、2015度から、毎年改善を加えながらご実践を重ねられており、今回沢山の、俳句創作の授業のヒントとなる資料をお送り頂きましたのでご紹介いたします。(2016年度の資料を中心に掲載いたします。)

 

授業の手順

 

 

第一次のワークシート

 

 

 

第二次の名句で句会プリント

 

 

 

(nhkk事務局注)

「教員が解説や解釈をする以上に、生徒達自らが深く速く作品をよみとりました」とのこと。

 

 

 

句会提出用

 

 

 (nhkk事務局注)

俳句は、「学校生活の『いま』を題材に」詠んだそうです。

 

第五次の結果プリント

 

 

 

 

 

(nhkk事務局注)

各クラス毎に、全員の俳句と、それぞれの俳句を選んだ人の内訳、先生からの講評が載せられています。校内誌「わかぎ」にも全員の句と講評が掲載されています。

 

 

2015年度分

 

 

授業振り返り(写真内の傍線は、nhkk事務局)

 

 

俳句の創作が授業に取り入れられていくことで、「表現力が支える読解の力の意義」という教員側からの評価が得られたのはもちろん、生徒達それぞれが「作品読解も深まった」と「体感」した実践となったようです。

先生からも、「生徒みずからが表現し、批評する力を確実に身につけてくれている実感があります。」とお便りを頂きました。

福岡女学院中学校は、「国語表現の時間に短歌、小説、俳句、エッセイなどを書かせて」いて、昨年は短歌甲子園で優勝されたそうです。そこに、継続的な俳句創作の授業が組み込まれることで、これからどのように発展していくのかさらに楽しみです。

 

谷口先生、今後の課題にされていらっしゃいます「全体句会」→「批評文」など、今後のご実践も、ぜひともお寄せ頂きますようお願いいたします。

  • 2018.02.11 Sunday
  • 11:24

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

川上弘美『いとしい』&西加奈子『白いしるし』

裏表紙にそれぞれ、「傑作恋愛小説」「超全身恋愛小説」をウリにしていたので、私の中の川上弘美さんや西加奈子さんのイメージからは意外な感じがして、二人がどんな感じのいわゆる「恋愛小説」を書くのだろうかと興味をひかれて思わずチョイス。

読んでみてビックリしたのが、どちらも、“愛する人との出会いと別れの中で、大きな影響を与えながら通り過ぎていく人々との交流、そして自分探し“というプロットだったこと。とはいえ、作家それぞれの味わいが違うので、全く違う読後感。

 

 

まっとうな人間界ではありえない狐につままれたような川上ワールドは、不穏感を漂わせながらも、不思議と嫌な感じにさせない。大阪人的さばさばとした全力西ワールドは、結果的には精神面での体当たり恋愛なのだけれど、表現者でありつづけようとする主人公の強さが救いとなっていて喪失感は薄い。

それぞれのワールド炸裂で、どちらも楽しめましたが、「恋愛小説」の部分よりは、女性の成長小説の部分によりひかれました。浮かばれない結末にもかかわらず、ある種の爽快感すら漂う2冊。

  • 2018.02.10 Saturday
  • 20:37

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

原田マハ『キネマの神様』&金城一紀『映画篇』『対話篇』

〜映画がテーマになった本〜

 

★原田マハ『キネマの神様』。私世代には懐かしい映画のオンパレードで、映画評の部分だけでも読み応えがある、楽しみどころが満載の一冊。登場人物たちのそれぞれの再生の物語が、あふれる映画愛と共に描かれます。甘いばかりでないところが物語にリアリティを与えていて、良質の映画を観た後の幸福感につながる感情を呼び覚ましてくれます。とこかく、「ニュー・シネマ・パラダイス」が観たくなること間違いなしです(笑)

 

 

★映画絡みで、金城一紀『映画篇』も。メインとなる映画を中心におきながら、なくしたものを取り戻していく人たちを描いた短編〜中編の5作品。それぞれ独立した5作を結ぶ映画として「ローマの休日」が真ん中に据えられ、その他にもそれぞれの物語をつなぐ仕掛けがちょこちょこ散りばめられています。仕掛けに気付いていくのも楽しく、また、読み進めるごとに深みも出てきます。

 

★金城一紀『対話篇』再読。こちらは、「死」と「愛」が中心にある3作ですが、『映画篇』と続けて読むと、『対話篇』と『映画篇』も繋がっていたことに気付いて驚きます!読者サービスが好きな作家さんだなとつくづく…。2冊がそれぞれに補い合って、登場人物の解釈が重層的になる仕掛けなので、せっかくなら両方読むことをオススメしたい2冊です。

  • 2018.02.03 Saturday
  • 00:02