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w closet×JUGEM

備忘録〜個人的・書籍の感想〜

中島京子『FUTON』・田山花袋『蒲団』

中島京子さんのデビュー作が、なんと日本の自然主義文学の代表作であり、私小説の出発点ともいわれる田山花袋『蒲団』のパロディだったとは!

『蒲団』は、妻も子もいる中年の小説家(竹中時雄)が、一方的にプラトニックな思いを寄せる女弟子(横山芳子)が男性問題で故郷に帰された後に、残された部屋で彼女の使っていた蒲団や夜着に顔をうずめて泣く話として有名で、実際にモデルがいたこともあり、「赤裸々な内面を大胆に告白」した面が取り上げられる作品です。

 

 

『FUTON』は、アメリカの花袋研究家であるデイブ・マッコーリーが主人公で、『蒲団』の時雄、芳子、そしてその恋人田中の三角関係(?)に似た関係が、デイブ、エミ、ユウキの中で繰り広げられます。しかし、三角関係と言いながらも、時雄の恋(のようなもの)は中年男の一方的なものですから、人物→人物△悗了廚い箸靴童るならば、時雄→芳子の関係に似たものは、『FUTON』の登場人物の中にいくつもの関係を見つけることができます。ウメキチ、イズミなど…いくつもの人物の絡み合いも読みどころです。

そして、何より面白いのは、合間に挟まれる、デイブ・マッコーリーの書く「蒲団の打ち直し」という小説です。これは『蒲団』では「旧式」の女性で名前も与えられていなかった時雄の妻目線で書かれたもので、「美穂」という名を与えられた彼女の煩悶が手に取るように分かります。そして、彼女が最後にたどり着く先が、これまた『蒲団』に書かれていなかった別次元の問題へと発展していきそうなところで終わり、そうきたか!、とうならされます。

『蒲団』から『FUTON』の順番で読まれることをオススメします。

  • 2018.06.16 Saturday
  • 13:49

事務局レポート

青山学院女子短期大学同窓会 俳都松山の二日間

青山学院女子短期大学同窓会・四国支部の総会が松山で開催され、この機会に俳都松山で俳句三昧の二日間を…ということでご一緒させていただきました。

 

 

一日目は、「俳句のレクチャー」→「坊っちゃん列車&子規記念博物館吟行」→「お食事句会」です。
心配していたお天気が嘘のような梅雨の晴れ間、坊っちゃん列車に吹き込んでくる風がなんとも気持ちよく、(漱石の言う)マッチ箱の中が学生時代に戻ったような華やかな声で満たされていました。

昨年展示が新しくなった子規記念博物館では、ガイドの方も付いてくださり、分かりやすい説明で子規について学びながらの吟行となりました。展示方法も、プロジェクションマッピング的見せ方も加わっていたりで、また改めてゆっくり訪れてみたいと感じました。

 

 

俳句を作ったこともなければ、句会は初めて、とおっしゃる方がほとんどでしたが、2句以上投句してくださった方も多く、一品一品丁寧に作られた美味しいお料理に舌鼓を打ちながら、自分たちの俳句を大いに語り、愉快な俳都松山の夜となりました。

 

二の腕の白きへ汽笛梅雨晴間

ぼっちゃん列車手をふるわらべの玉の汗

夏帽子子規の額の広ければ

(句会高得点句より)

 

 

二日目は、同窓会総会。

第二部の懇親会の余興として、即興画のキム・チャンヒさんと一緒の句会ライブです。
同窓会の通称が「ゆりの会」と言うことで、事前投句には「百合」の句が沢山集まりました。

俳句に絡んでの皆さんのお話がどれも素敵で、楽しく、笑いの絶えない句会ライブで、私自身まで学生時代を懐かしく思い出しました。

 

同窓の宴華やいで百合や百合

残香はゆりの吐息か夜の静寂(しじま)

(事前投句より)

 


また、総会でご講演された吉岡康子准教授は、牧師様でもいらっしゃるということで、句会ライブの中で宗教的な「百合」のイメージについてお聞きすることもできました。「希望」の花である「百合」のお話は大変興味深く、季語「百合」への理解がさらに深まったように感じました。

書道のお得意な方が、決勝の5句を墨で書いてご準備くださっていたり、入賞の記念にと短冊もご用意くださったりと、お心遣いも素敵な同窓会でした。

  • 2018.06.10 Sunday
  • 18:16

俳句関連・書籍など 紹介

副会長・夏井いつきの新刊ご紹介

『夏井いつきの「時鳥」の歳時記』

 


一つの季語に特化して徹底解剖する歳時記の第三弾は「時鳥」。美しい写真とあわされる名句が、有名俳人の句だけでなく、市井の俳人から投句された副会長・夏井の特選句であることも目玉の一つです。
また、本シリーズの人気コーナー、ローゼン千津さんのサイエンスインタビューは、日本野鳥の会の安西英明さん。自然科学の視点から、托卵をはじめとした時鳥の生態と謎が明らかにされていきます。

 

 

今回は新しい企画として、一種類の鳥でありながら、多くの傍題(呼び名)を持つ「時鳥」という季語について、その由来や使われ方などを『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』の歌を参考にしながら繙いていく「季語詳説」が加わりました。
この章は私が担当したのですが、三大和歌集の全「時鳥」の歌を分類し、一目で分かるように分布グラフにしました。「時鳥が夏を代表する季語となった理由に『万葉集』の編者と言われている大伴家持が関係していた!?」というところからスタートの「季語詳説」。ぜひご一読ください。
そして、「雪」「花」「時鳥」と続いてきたこのシリーズも、次はいよいよ「月」です。すでに「月」の句の募集も始まっています。ご投句もお忘れなく!

  • 2018.06.09 Saturday
  • 00:59

事務局レポート

愛知県立大府東高等学校・句会ライブ

修学旅行中の愛知県立大府東高等学校皆さん。広島から船で渡ってきた本日は、いくつかのメニューに分かれての愛媛体験の一日でした。

「松山はいく吟行体験コース」は、坂の上の雲ミュージアム→鯛めし→松山城→坊っちゃん列車→子規記念博物館と、行程の中で詠んだ俳句を使っての句会ライブです。
本日の人気の季語は、夏の風・若葉風・青葉風・青嵐・風薫る…など「風」。梅雨の晴れ間となった松山で、気持ちの良い風を感じてくれたようでした。

 

 

今日のメンバーはほぼ男子だったこともあり、勝ち抜き句合で最終の5句に残ったのは、元気の良い句ばかりでした。

こだわりのレンズで友の写真を撮ったり、鯛飯を舌の上を踊ると表現したり、松山城の眺めから景気を予想したり、大きいと思っていたものを超えていく自分など…、まさに男子ならでは!
最終的に一位となったのは、「敵全滅」という力強い下五で圧倒的人気を誇った「風薫る高い石垣敵全滅」。全滅し誰もいなったあとに薫風が吹き抜けている…と語ってくれた選評も素敵でした。
勝ち抜くことはできませんでしたが、「城晴れて水のボトルに映る夏」などの、カメラワークを絞っていきさらにそれぞれの夏を想起させるような句もあり、句会ライブはもちろん、俳句も楽しませてもらいました。

 

  • 2018.06.07 Thursday
  • 21:43

事務局レポート

「伊月庵」こけら落とし&夏井いつきの一句一遊 17周年記念 句会ライブ

「伊月庵こけら落とし」&「南海放送開局65年 夏井いつきの一句一遊 17周年記念 句会ライブ〜楽しくないと俳句じゃないぜ〜」ラジオ生放送&「還ってきたいっぺんさん(手作り青空市)」

 

 

道後上人坂に、俳句にちなむ四つ目の庵「伊月庵(いげつあん)」が誕生しました。道後にいらした方々に句会場として使っていただきたい!副会長夏井の思いがつまった庵が完成し、本日お披露目されました。

 

 

また、17周年を迎えるラジオ番組「一句一遊」の公開生放送も道後の宝厳寺で開催。全国からリスナーが集まり大盛況!一句一遊、そして一遍上人にちなんだ本日の席題は「一」で、見事天の句に輝いたのは、京都からお越しの山本真也さんの「青嵐そして一から考える」でした。
「伊月庵」へのご挨拶句のニュアンスも感じられる一句で、今日という日を機に、新しいスタートの一歩を踏み出したいなと思いながら、道後に吹く青嵐を気持ちよく受けました。

 


宝厳寺では「還ってきたいっぺんさん(手作り青空市)」として13店舗が出店。この道後の地がさらに賑わっていくことを予感させる一日でした。
伊月庵は、時間貸しの貸館としてどなたでもご利用頂けます。近々HPにもアップされるそうですが、詳細は、夏井&カンパニー 089-908-7520までお問い合わせください。

  • 2018.06.03 Sunday
  • 23:13